新国立劇場バレエ団、初の富山公演!
夢のように美しいシーンの数々を豪華なバレエで。
「シンデレラ」は新国立劇場バレエ団の冬の定番演目として多くの観客に愛されている作品です。英国ロイヤルバレエ版のアシュトン振付による華やかで格調高い本作は、数あるバレエ『シンデレラ』の中でも最高傑作とされ、世界中の数多くのバレエ団によって上演されています。日本では唯一、新国立劇場バレエ団だけが持つ貴重なレパートリーです。
また、オーケストラの生演奏でお贈りするプロコフィエフが作曲した音楽は、色鮮やかで抒情的なメロディーとリズム感にあふれ、本作の大きな魅力となっています。
四季を奏でる音楽にあわせて踊る春夏秋冬の妖精たち。時計が12時になったと同時にシンデレラの魔法がとける、驚くような仕掛け。意地悪な姉妹が見せる愉快なマイム・・・。
物語は幸福感に彩られ、新春に相応しいバレエ作品として期待が高まります。
あらすじ
〈 第1幕 〉
シンデレラは、父親と二人の義理の姉と暮らしている。姉たちは好き勝手に振る舞い、シンデレラを召使のように扱っている。汚れた灰色の服で家中を掃除するシンデレラ。それでも笑顔を絶やさず、物乞いの老婆にも優しく接する。
宮殿の舞踏会に招かれている姉たちは派手に着飾り、ダンスのレッスンを受けて父親とともに出かけていく。
一人残されたシンデレラのもとに、先ほどの老婆・・・実は仙女が現れる。仙女が春夏秋冬を出現させる間に、かぼちゃは馬車に、シンデレラは美しいドレス姿に変身。12時の鐘が鳴り終わる前に戻ってくるようにと念を押す仙女に見送られ、シンデレラは期待に胸を膨らませ、お城へと向かう。
〈 第2幕 〉
宮殿の舞踏会。シンデレラが広間に入ってくると、輝くばかりの気品、軽やかな足どりが人々を魅了し、王子までもが心を奪われる。
踊りながら距離を縮めていく王子とシンデレラ。しかし12 時を告げる鐘が鳴りはじめ、シンデレラは大慌てで立ち去り、ガラスの靴を片方落としてしまう。
〈 第3幕 〉
家に戻ったシンデレラは、夢のような時間を思い返している。そこに王子一行がやってくる。片方残った靴を手掛かりに、舞踏会で出会った女性を探しているのだ。
小さな靴に無理やり足を入れようとする姉たちを見かねたシンデレラが飛び出したとき、ポケットから転がり落ちたのは、もう片方の靴。王子は、身なりは貧しくとも、彼女こそが自分が探している女性だと悟り、その手を取る。仙女の祝福を受けた二人は永遠に結ばれるのだった。
3分でわかる!バレエ『シンデレラ』
キャラクター紹介
シンデレラ
Cinderellaは灰かぶりという意味を含みます。カマドの傍で灰まみれだったシンデレラが、仙女の魔法の杖の一振りで美しく変身。彼女が舞踏会に登場する場面はハイライトのひとつ。夢見ているかのようにポワントで階段を降りるシーンは必見です。
義理のお姉さんたち
アシュトン振付の『シンデレラ』は英国振付家による初めての全幕バレエ。意地悪な義理の姉たちは男性ダンサーが演じます。1948年初演時は偉大なキャラクター・ダンサーでもあったアシュトン自身が踊りました。英国のマイムの流れを組み、男性が演じることで滑稽で憎めない役となっています。
仙女・四季の精
童話やアニメの魔法使いのおばあさんは、このバレエでは美しい仙女の姿で現れます。春の精は新鮮な光で新しい生命力に満ち溢れ、夏の精は暑くけだるくて夢見がち。秋の精では風が吹きすさび、冬の精は氷のように冷たいきらめきを放ちます。これらのソロは技術的に難しいですが、四季それぞれの感覚や雰囲気を表現しています。
かぼちゃの馬車
大きなかぼちゃが、魔法の杖で光り輝く四輪馬車に変わる場面は息を呑むように美しいシーン。かぼちゃが馬車に変わるのは原作者ペローの発案。17世紀終わりの馬車の車体の底はかぼちゃのように丸かったのです。
撮影:瀬戸 秀美、鹿摩 隆司