ジャンルの垣根を超えて反響を呼んだ、あの企画がふたたび!
2006年に開館10周年を記念して開催した「舞台の上の美術館」。
5日間という短い会期にかかわらず、美術展としては異例の7600名を超えるお客様が来場し、大きな話題となった。
あれから10年、あの企画がふたたび甦る!
舞台が美術館になる。
オーバード・ホールの舞台。そこは、多くの舞台家たちが心震わせ、観客の歓喜と喝采を呼び起こす場所。
この春、その舞台に、彫刻と平面、光と音、そして訪れる人をも封じ込めて、まったく新しい美術展を創り上げる。
実は、オーバード・ホールは、客席から見える主舞台のほか、奥と左右にも舞台がある「三面半舞台」であることをご存知だろうか。その総面積は2,000平方メートル、テニスコートにして約7枚分にもおよぶ。
これは、その巨大空間をあたかもひとつの美術館にみたてるという、実験的な試みだ。
全国でも類のない新たな美術展を体感してほしい。


全長9メートルの巨人、舞台に出現!
美術展の軸となるのが、造形作家・清河北斗の彫刻作品。
清河が制作する作品は、いずれも斬新で、強烈なインパクトを放っている。驚くような大型作品も多く、ひと目で心を掴まれ、高揚感を覚える。「もっと他の作品も見たい!」そう思わせる作家のひとりだ。
その清河が今回、自らの作家人生でも、かつてない大作に挑む。その全長、なんと9メートル!あまりの大きさに自身のアトリエでは構築不能な巨人をオーバードに出現させるのだ。
この無謀ともいえる挑戦から目が離せない!

GALLERYガラスのピラミッドでの展示風景2013年(清河北斗)

そして、清河の彫刻作品と競演するのが日本画家の平井千香子。
色香と狂気を備えた独特の世界は、おそらく万人の好みに合うものではないだろう。
だが、平井の作品は妖しい魅力に満ちていて、不思議と包容力をも感じる。
今回、平井は、2015年に清河が下山芸術の森発電所美術館で発表した作品「仮様」に、直接筆を入れて新しい生命を吹き込む。平井の特徴とも言える緻密な描写はそのままに、これまでとは異なる一面を見せることだろう。
また、舞台床や彫刻に投影する映像の原画は、すべて平井作品で構成される。会場全体が平井の「気」で満たされるのが待ち遠しい!


劇場だから可能な演出!
決して美術館では実現できないこと―。それこそが照明や映像、音響といった劇場ならではの舞台機構による演出だ。
本展では、オーバード・ホールの舞台技術スタッフが最先端の舞台機構を駆使して、演出効果を高める。
照明デザイナーは、平成27年度「第35回 日本照明家協会賞舞台部門大賞・文部科学大臣賞」を受賞した渡部良一。受賞後初となる照明デザインに、期待が高まる!
音響デザイナーは、自身も作家としての顔を持ち、幅広い活動を展開している曽根朗。作品の世界観が際立つ「音」と「映像」にも注目してほしい!

