【弧の会・若獅子会】
『若獅子』(わかじし)
疫病退散を祈り、舞い、囃す!
普段は<伴奏>を務める邦楽囃子が、<主奏>として表現を追求することは、若獅子会の活動コンセプトの一つ。その初の創作曲『若獅子Ⅰ』に弧の会が振付を施し、『若獅子』として2014年に初演。邪気払いの足拍子と鈴の音など、古典舞踊の三番叟物の動きや様式をベースとしながらもスピード感、躍動感に溢れた作品として、好評のうちに再演を重ねる。『若獅子Ⅰ』は、2016年に優れた作曲作品に贈られる「中島勝祐創作賞」を受賞。
【弧の会】
『御柱祭』(おんばしら)
翔る、跳ぶ、舞う!「弧の会」の代表作
長野県諏訪市に伝わる天下の奇祭「御柱祭」をモチーフとした「弧の会」の代表作。神への祈りと祭に命を懸ける男たちの熱い姿を、鼓童の楽曲を用いて舞踊化。御神木となる木を山中で選ぶ「見立て」に始まり、伐採に使う斧の「火入れ式」などの神聖な儀式から、祭に心浮き立つ男達の花笠踊りや長持道中。やがて御神木を運ぶ里曵きの様子へと続き、命懸けの「木落し」の様を見せる。2000年度 舞踊批評家協会賞・新人賞受賞、2008年度 文化庁芸術祭賞・優秀賞受賞(舞踊部門)
【若獅子会】
囃子組曲 『鷹と獅子』(たかとしし)
若獅子会が挑む邦楽囃子の意欲作
昨年他界された囃子方人間国宝・堅田喜三久師による、数々の伝統的な手法を用いた構成曲。能管と篠笛で空飛ぶ鷹の羽が風を切り風をはらむ様を、小鼓は鷹の首や足の動き、大鼓で鋭く啼く音を表現。古来より伝わる能楽囃子と後に生まれた歌舞伎囃子を奔放に組み合せて描く「鷹」の勇姿。一方、想像上の聖獣「獅子」の荒々しい力感と優美さを、能楽の四拍子(小鼓・大鼓・太鼓・笛)で表現。古へより人々に愛されてきた鷹を獅子の魅力を味わっていただく新たな囃子構成曲。
【弧の会・若獅子会】
『火牛』(かぎゅう)
2021年5月29日 オーバード・ホール初演
富山県が誇る独自の五箇山文化は、平安時代末期、源平合戦で敗れた平家の落武者が、逃れて住み着いたことから始まると言われる。総大将・平維盛率いる大軍は倶利伽羅山中に本陣を敷き、源義仲軍を待ち構える。一方、義仲は味方の軍を七手に分けて好機を伺う。夜半、角に燃え盛る松明を付けた数百頭もの牛と共に背後から一気に平家の陣に突入。世に言う木曽義仲の「火牛の計」であり、この戦いを期に平家は一気に滅亡に向かう。この戦の模様を、若獅子会が手法と古典の手組を織り交ぜて囃子のみで表現し、弧の会が伝統的な身体表現をベースに迫力とスピード感を加味してダイナミックに振付。全国屈指のオーバード・ホール三面半舞台機構を駆使した迫力ある演出に乞うご期待。