
オーバード・ホールが開館25周年を迎えた今年、記念特別公演として開催する
「INFINITY DANCING TRANSFORMATION」。
この公演のきっかけは、新型コロナウイルス感染症によって社会全体が停滞し、ステイホームを余儀なくされた2020年5月。舞台はもちろんのこと「踊り」の表現さえなくなってしまうのではという危機感から、元バレリーナで女優の草刈民代が、各分野の日本を代表するダンサー達に呼びかけ「♯Chainof8 Dancers creation during corona timesin japan」をYouTubeにアップ。それぞれの部屋やベランダといった充分とは言えない空間にスマートフォンやカメラを置き、まるで表現のリレーのように踊り紡いでいくものだった。思いがけずあぶり出された現実。それに突き動かされるように、草刈とダンサー達は画面の中で躍動した。
この動画はインターネット上で話題となり、その動きを受けて今年1月、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて「INFINITY」と題されたダンス公演が行われた。生の舞台、そしてダンサー達の躍動する肉体を渇望する人々の熱気が会場を包んだ。
そんな公演が開館25周年を迎えたオーバード・ホールにやってくる。「INFINITY DANCING TRANSFORMATION」と題された富山公演だが、東京での公演をそのまま上演するわけではない。昨今のダンス界で注目され、テレビ番組やCMにも登場している菅原小春。ドイツやハンガリーのバレエ団で踊り、Kバレエカンパニー名誉プリンシパルとして活躍する中村祥子や、レーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術監督の経験を持つ森優貴の初演作品など、富山公演オリジナルの新たな顔ぶれと新演出が実現する。
本プロジェクトの発起人、草刈民代による構成・演出を軸に、世界的ファッションデザイナー丸山敬太が創出する舞台空間の中で、日本が世界に誇るトップダンサー10名のジャンルを超越した競演がこの夏の富山を彩る。