どん底を経験したホームレスによる“生きる舞”
路上生活経験者のダンス集団「新人Hソケリッサ!」の姿を追ったドキュメンタリー、
ついに富山で上映決定!
すべてを捨て、唯一残った肉体が生み出す
路上生活経験者だけで構成されたダンスグループ「新人Hソケリッサ!」。
彼らは家を捨て、財産を捨て、家族を捨て、すべてを捨てて、唯一残った肉体を使い、自らのダンスを生み出す。決まった振付を教わるわけではない。路上生活を経験した身体から出てくるものを肉体表現へと昇華していく。グループの主宰者・アオキ裕キは言う。「思考も感情も放り、その時に生まれたものだけを踊りとして繋いでいく。それはすごく原始的なものかもしれない」。
切なくもユーモラスなこれまでにない
ダンス・ドキュメンタリー
物語は、新宿で路上生活をする西の日常から始まる。ダンサーを夢見たが、人間関係や借金問題に疲れ、ホームレスになった。一度は死も考えた西がソケリッサと出会う。そこには同じように、すべてから逃げてきた小磯、病を抱える横内、父親の暴力に苦悩した平川など、人生の辛酸をなめたメンバーがいた。そんな彼らはみな明るく、どこかユーモラスだ。
グループには、”人に危害を加えない”以外ルールはない。無断で休んでも構わない。アオキは言う「社会のルールがいいですか?」と。アオキは彼らのそのままを受け入れ、彼らも踊りを通してもう一度生きがいを取り戻していく。そしてクライマックスの自らをさらけ出す彼らの肉体表現に、観客の心はわしづかみにされる。
2005年に結成後、テレビなどの映像メディアを避けてきた「新人Hソケリッサ!」の初の長編映像記録。監督は新進気鋭のドキュメンタリスト・三浦渉。自らカメラを持ち、3年に渡って粘り強く彼らの日常と肉体表現を撮り続けた。人はなぜ踊るのか、その問いの答えがここにある。
キネマ旬報の新作レビュー欄にて第1位評価を獲得した本作。
世界3大ドキュメンタリー映画祭にも数えられるフランス国際映画祭“Sunny Side of the Doc”やドイツ国際映画祭にも正式出品を果たし、さらにアメリカ国際映画祭“Spotlight Documentary Film Awards”にて銀賞を受賞するなど、海外でも驚きと賞賛を巻き起こした-。