飛鳥 asuka 牧阿佐美バレエ団 ニーナ・アナニアシヴィリ主演 2017年10月28日(土) 15:00開演 14:15開場

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公演紹介

時空を超えて甦る、圧巻のバレエ・ファンタジー。

富山オーバード・ホールだけで上演!

昨年、牧阿佐美バレエ団が創立60周年を記念して新制作した「飛鳥 ASUKA」。いにしえの日本を舞台に、和様の美とバレエを融合させ、美術には最先端のテクノロジーを取り入れた絢爛な作品は、舞踊批評家協会賞を受賞するなど絶賛されました。この秋、世界的プリマを迎え、日本では富山だけで再演が決定!夢のステージをお見逃しなく!

古代風衣裳、和の響きが融合する楽曲-。日本から世界に発信するバレエ。

バレエ団の創立者、橘秋子の代表作で1957年に初演した作品「飛鳥物語」が60年を経て、実娘の牧阿佐美演出・振付改訂により甦りました。これまで数々の全幕バレエを制作してきた牧阿佐美が、人生の集大成として創り上げたのは、音楽に雅楽、舞踊に舞楽の優雅さを取り入れた、世界に通用する日本のバレエ作品です。

巨匠・絹谷幸二による描き下ろしの原画とプロジェクションマッピング。

日本を代表する洋画家・絹谷幸二氏が本作のために書き下ろしたのが、“バレエ「飛鳥」に寄せて”。色彩豊かな絹谷の美術が、最新の映像技術によりステージいっぱいに広がる演出は圧巻!映像だから可能なスピード感とダイナミックなシーン展開は瞬く間に観客を作品世界へ誘います。

主演は世界的プリマ、ニーナ・アナニアシヴィリ

主演の美しい舞女「春日野すがる乙女」には、世界的バレリーナとして人気を誇るニーナ・アナニアシヴィリ、パートナーにはボリショイ・バレエ団のプリンシパル、ルスラン・スクヴォルツォフが決定!古代日本が舞台のファンタジー作品への出演は、ニーナにとってこれまでにない新しい挑戦となる注目の舞台です。そして、物語の核となる孤高の竜神には牧阿佐美バレヱ団のプリンシパルとして存在感を増す菊地研が登場します。

あらすじ

いにしえの都、大陸との交流盛んな国際都市・飛鳥。美(芸術)と権威の象徴である竜神を祀るお宮に仕える舞女たちの中で、春日野すがる乙女は一番の舞の手で大変美しい乙女でした。すがる乙女は竜神へ舞を奉納する栄誉を与えられますが、それは即ち竜神の妃となり、二度と再び地上に戻ることは出来ないということ。すがる乙女は終生を芸術の神に仕えようと心に決めるのでした。一方、幼なじみの岩足は、美しく成長したすがる乙女の舞を見て思いを抑えることができず、愛の心を伝えますが時すでに遅く、すがる乙女は竜神と共に昇天してゆきました。しかし竜の棲む深山で不意に、すがる乙女は岩足への激しい慕情にかきたてられます…。

プロフィール

ニーナ・アナニアシヴィリ
Nina Ananiashvili

ジョージア国立バレエ団芸術監督、プリマ・バレリーナ ジョージアのトビリシ生まれ。ロシア連邦人民芸術家、ジョージア人民芸術家。
10歳でフィギュア・スケート(ジュニア部門)のジョージア・チャンピョンとなるが、1969年、ジョージア舞踊学校に入学し、バレエに転向。1976年、モスクワ舞踊学校に転校。第10回ヴァルナ国際バレエ・コンクール(ジュニア部門)金賞(1980年)、第4回モスクワ国際バレエ・コンクール(ジュニア部門)グランプリ(1981年)、第5回モスクワ国際バレエ・コンクール(シニア部門)金賞(1985年)、ジャクソン国際バレエ・コンクール・グラン・プリ(1986年)受賞と輝かしいコンクール歴を誇る。
1981年、ボリショイ・バレエ団に入団。1985年、プリマ・バレリーナに昇格。1988年以降、ロシアのバレリーナとして初めてニューヨーク・シティ・バレエ団、アメリカン・バレエ・シアター、英国ロイヤル・バレエ団等に客演。これまで、カルロス・アコスタ、フリオ・ボッカ、パトリック・デュポン、ホセ・カレーニョ、イーサン・スティーフェル、マルセロ・ゴメス、アンドリス・リエパ、アレクセイ・ファジェーチェフ、ウラディーミル・マラーホフ、ファルフ・ルジマートフ、アンドレイ・ウヴァーロフなどと共演。
2004年9月に母国のジョージア国立バレエ団の芸術監督に就任。沈滞していたこのバレエ団の再生に尽くし、短期間で著しい成果をあげて、バレエ団に第2の黄金時代をもたらしつつある。1989年に初来日して以来、日本にはボリショイ・バレエ団、エイフマン・バレエ団、ペルミ・バレエ団、アメリカン・バレエ・シアターの公演に参加するほか、《アナニアシヴィリと世界のスターたち》などの公演でも度々来日している。レパートリー:『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』、『ジゼル』、『ライモンダ』、『薔薇の精』、『コッペリア』、『ロメオとジュリエット』、『ドン・キホーテ』、『バヤデルカ』、『シンフォニー・イン・C』、『アポロ』、『モーツァルティアーナ』(以上、バランシン振付)、『ロメオとジュリエット』、『マノン』、(以上、マクミラン振付)、『海賊』、(ABT版)など90以上の作品に主演。

ルスラン・スクヴォルツォフ
Ruslan Skvortsov

ボリショイ・バレエ団 プリンシパル・ダンサー。リペツク州エレツ生まれ。1998年にボリショイ・バレエ学校を卒業し、ボリショイ・バレエ団に入団。2000年、モスクワ国際バレエ・コンクール3位。主としてニコライ・ファジェーチェフに指導を受けている。
主なレパートリーは、『愛の伝説』のフェルハド、『白鳥の湖』のジークフリート、『ジゼル』のアルブレヒト、『ライモンダ』のジャン・ド・ブリエンヌ、『ラ・シルフィード』のジェームズ、『コッペリア』のフランツ、『海賊』のコンラッド、『ラ・バヤデール』のソロル、ほか多数。2011年、雑誌「バレエ」のスター部門で「ソウル・オブ・ダンス」賞を授与された。

菊地 研
Kikuchi Ken

牧阿佐美バレヱ団 プリンシパルダンサー。16歳でプティ振付「デューク・エリントン・バレエ」のソリストに抜擢、一躍注目を集める。「くるみ割り人形」「ドン・キホーテ」「リーズの結婚」「ラ・シルフィード」「白鳥の湖」「ノートルダム・ド・パリ」、新国立劇場バレエ団「椿姫」に主演する他、ダイナミックな踊りと華やかな個性で「ノートルダム・ド・パリ」のフロロ、「ライモンダ」のアブデラクマン、「眠れる森の美女」のカラボス等を巧みに演じる。
02年こうべ全国洋舞コンクール男性ジュニアの部1位。06年舞踊批評家協会賞・新人賞受賞。

牧 阿佐美
Maki Asami /振付家

日本バレエ界の草分けの一人、橘秋子の長女として生まれる。世界的バレリーナ、アレクサンドラ・ダニロワに師事。スクール・オブ・バレエ・リュス・ド・モンテカルロでイゴール・シュベッツォフとマリア・スワボーダー、ニューヨーク・シティ・バレエ附属スクール・オブ・アメリカン・バレエでピエール・ウラジミーロフとフェリナ・ドゥブロフスカのクラス等で学び、帰国後はプリマ・バレリーナとして活躍。1956年、橘秋子とともに牧阿佐美バレヱ団を設立。1971年に舞台を退く。以来、卓越した指導力で日本を代表する数多くのダンサーを育成する。
1968年に振付家としてデビューし、「ブガク」(黛敏郎:作曲)、「トリプティーク」(芥川也寸志:作曲)、「シルクロード」(團伊玖磨:作曲)を発表。1995年に「ロメオとジュリエット」、1998年に「椿姫」を振り付ける (共同振付:アザーリ・プリセツキー)。1999年7月から2010年8月まで新国立劇場舞踊芸術監督を務める間、2000年に「ラ・バヤデール」をプティパ版をもとに振り付け、日本人として初めて新国立劇場で行った古典バレエの改訂振付として話題を呼んだ。2004年「ライモンダ」全幕の改訂振付で、この年の朝日舞台芸術賞を受賞。2006年に「白鳥の湖」の監修及び演出振付、2007年に「椿姫」の演出振付を行った。2009年9月には新国立劇場バレエ団が「椿姫」をモスクワのボリショイ劇場で上演した。
1984年にニムラ舞踊賞、1987年芸術選奨文部大臣賞、東京新聞舞踊芸術賞、舞踊批評家協会賞を受賞、1991年に橘秋子特別賞、1991年から93年に牧阿佐美バレヱ団として舞踊批評家協会賞を3年連続受賞、1996年に紫綬褒章を受章、2004年にフランス共和国政府より芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2008年5月には日本人として初めてブノワ賞の審査に当たった。2008年、文化功労者に選ばれた。
現在、新国立劇場バレエ研修所所長。

絹谷 幸二
Kinutani Koji /洋画家

1943年、奈良県奈良市に生まれる。1966年東京藝術大学絵画科油画卒業。卒業制作で大橋賞を受賞。第34回独立賞受賞。1968年東京藝術大学大学院修了。イタリア留学で古典技法アフレスコを習得。その技法を独自のものとしながら、画家自身にたぎるエネルギーを表出したかのような奔放かつ鮮烈な絵画表現。人物画でスタートしたその画業は、ヴェネツィア風景、富嶽などの多様な展開を見せながら、近年は古事記をはじめ日本の神話、信仰を背景とするドメスティックな精神世界を追求するなど、さらなる円熟の境地に達している。
1997年、長野冬季五輪の公式ポスターを手掛ける。独立美術協会会員に推挙される。1971年、渡伊し、ヴェネツィア・アカデミア入学、アフレスコ画を研究、1974年、洋画家の登竜門、第17回安井賞受賞。1977年、昭和52年度文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧。1987年、第19回日本芸術大賞受賞。1989年、第30回毎日芸術賞受賞。1997年、長野冬季五輪公式ポスター原画制作。
2001年、第57回日本芸術院賞受賞、日本芸術院会員に任命。2009年、絹谷幸二賞が毎日新聞社主催で創設される。2010年、東京藝術大学名誉教授に就任。2014年、文化功労者に顕彰される。2015年、第66回日本放送協会、放送文化賞受賞。
現在、文化功労者、日本芸術院会員、独立美術協会会員、東京藝術大学名誉教授、大阪芸術大学教授。

片岡 良和
Kataoka Yoshikazu /作曲家

1933年仙台市生まれ。大谷大学、国立音楽大学作曲科卒業。
1973年、宮城フィルハーモニー管弦楽団(現仙台フィルハーモニー管弦楽団)を創設する。1959年、第14回芸術祭において、文部大臣賞受賞。1961年、管弦楽曲「抜頭によるコンポジション」の作曲で、東京放送賞受賞。1962年、牧阿佐美バレヱ団の委嘱により、「飛鳥物語」を作曲。東芝レコードより、現代日本作曲家シリーズとしてレコード出版。
その他の重な作品に、合唱曲「冬の手紙」(芸術祭文部大臣賞)、宮沢賢治の童話によるカンタータ「鹿踊りのはじまり」、交響曲「黒潮」、マリンバ協奏曲、オペラ「妖かしの森=山姥譚」などがある。1974年、宮城県芸術選奨受賞。現在は、仙台市宮城野区の見瑞寺住職、仙台フィルハーモニー管弦楽団副理事長を務める。

(株)ZERO-TEN
ゼロテン/映像演出

「MAKE NO BORDER」をコンセプトに、企画から制作までトータルに手がけるクリエイティブ集団。プロジェクションマッピング・舞台演出やイベント企画、Web・グラフィック・CM制作、イルミネーションを使った空間演出、ハード機器の設計からソフト制作など、多岐にわたる制作プロデュースを行っている。
http://zeroten.jp/

牧阿佐美バレヱ団
Asami Maki Ballet Tokyo

日本バレエ界の草分けの一人、橘秋子が1933年に創設した橘秋子舞踊研究所を母体として、牧阿佐美バレヱ団が1956年に発足。
上演レパートリーは、古典全幕バレエ「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「ドン・キホーテ」「ライモンダ」、名作をバレエ化した「ロメオとジュリエット」「三銃士」「椿姫」、またF.アシュトン振付の「リーズの結婚」をはじめとする世界の著名な振付家の現代作品まで数多い。世界的に高い人気を誇る振付家ローラン・プティの作品を数多く上演し、代表作「ノートルダム・ド・パリ」「アルルの女」「若者と死」を日本初演するほか、「デューク・エリントン・バレエ」「ピンク・フロイド・バレエ」を新制作するなど話題を集める。活発な公演活動と、橘バレヱ学校から一貫した教育システムによって優秀なダンサーを育成。団員の質の高さと層の厚さに定評がある。
また、より質の高い舞台制作のため、欧米各国から著名な舞踊手、教師、振付家、美術・衣装デザイナーを招聘し、国際的な活気溢れる芸術交流の場としても常に高い評価を得ている。

福田 一雄
Kazuo Fukuda/指揮

1931年、東京生まれ。5歳より絶対音感早期教育を受け、ピアノをポール・ヴィノグラドフ氏(Paul Vinogradoff・元モスクワ音楽院教授)に師事。1957年読売ホールにおいて「バレエ音楽の夕べ」を企画し日本フィルハーモニー交響楽団を指揮、指揮者としてデビューした。
以来、内外の各バレエ団の公演に指揮者として、また、音楽構成、編曲などで参加。NHK招聘の第2回イタリア・オペラ公演の際は副指揮者を務めた他、NHK・TV「世界の音楽」、テレビ朝日系列の「題名のない音楽会」の指揮者として内外の多くのソリストと共演している。
これまで「白雪姫」「みにくいアヒルの子」「不思議の国のアリス」など、子供のためのバレエの作曲も多く手がける。近年は、ミュージカルの分野でも新境地を拓いた。これら、多方面にわたる音楽ジャンルのうち、ライフワークとして関わってきたのがバレエ音楽の研究である。長年、多くのバレエ団との指揮活動の他、バレエ音楽の歴史、および複雑多岐にわたる楽譜の整理と蒐集を行いバレエ界に多大な貢献をしている。
シアターオーケストラトーキョー音楽監督、新国立劇場バレエ研修所講師。受賞:舞踊ペンクラブ賞、橘秋子特別賞著書: 「バレエの情景」

オーケストラ・アンサンブル金沢
Orchestra Ensemble Kanazawa/管弦楽

1988年、岩城宏之が創設音楽監督を務め、多くの外国人を含む40名からなる日本最初のプロの室内オーケストラとして石川県と金沢市が設立。金沢駅に隣接する石川県立音楽堂を本拠地とし、定期公演、海外公演など年間約100公演を行う。
設立時よりコンポーザー・イン・レジデンス(現コンポーザー・オブ・ザ・イヤー)制を実施。ジュニアの指導、邦楽との共同制作など育成・普及活動にも積極的に取り組む。メジャーレーベルより90枚を超えるCDを発売。2007年、井上道義を音楽監督に迎え、新たな活動を展開。
オフィシャル・サイト http://www.oek.jp/

公演概要

飛鳥-ASUKA-

改訂演出・振付 牧 阿佐美(「飛鳥物語」1957年初演台本・原振付:橘秋子)
音 楽 片岡 良和
美 術 絹谷 幸二
映像演出 (株)ZERO-TEN
総監督 三谷 恭三
出 演 ニーナ・アナニアシヴィリ(ジョージア国立バレエ団 芸術監督)
ルスラン・スクヴォルツォフ(ボリショイ・バレエ団 プリンシパル)
菊地 研(牧阿佐美バレヱ団 プリンシパル)
牧阿佐美バレヱ団
指 揮 福田 一雄
管弦楽 オーケストラ・アンサンブル金沢
日 時 10月28日(土)15:00開演 14:15開場
会場 オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
チケット料金 [全席指定・税込]
S席12,000円、A席10,000円、B席8,000円、C席5,000円、学生券2,000円
※未就学児のご入場はお断りいたします。
※学生券(大学生以下)をお持ちの方は、公演当日、空席をからお席をご用意します。
※学生券のアスネット会員割引はございません。
※公演中止を除き、チケットの変更および払い戻しはいたしません。
プレイガイド アスネットカウンター ☎076-445-5511 営業時間10:00~18:00(月曜定休/月曜が祝日の場合翌平日休み)
アスネットオンラインチケット
チケットぴあ ☎0570-02-9999(Pコード459-593)
ローソンチケット ☎0570-084-005(Lコード53041)
アーツナビ
富山大和
チケット発売 [アスネット会員先行発売]7月22日(土)のみ
[一般発売] 8月 5日(土)
主 催 (公財)富山市民文化事業団、富山市
共 催 北日本新聞社、チューリップテレビ
協 力 (一財)牧阿佐美バレヱ団
企画制作 (公財)富山市民文化事業団、ビルボードジャパン
お問い合わせ (公財)富山市民文化事業団 ☎076-445-5610(8:30~17:15平日のみ)
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メッセージ

今秋、富山に牧阿佐美バレヱ団の話題作、『飛鳥 ASUKA』がやって来る。
その主演が世界的プリマ、ニーナ・アナニアシヴィリに決定!

スーパーバレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリ。彼女の名を知らないバレエファンはいない。大きく澄んだ瞳が印象的な端正な顔立ち、美しいスタイル、そして完璧なバレエのテクニックと豊かな表現。ジョージア生まれのニーナは、才能を早くから認められ、瞬く間に世界最高峰のロシアのボリショイ・バレエ団のスターとなった。
だが挑戦は終わらない。“世界一ゴージャスなバレエ団”と言われるニューヨークのアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル(最高位段ダンサー)の座も得て、世界中の一流の劇場でさまざまな作品を踊る。
もちろん日本でも、最も愛されているバレリーナの一人。彼女のドラマティックな『ロミオとジュリエット』や『白鳥の湖』に涙し、太陽のように明るい『ドン・キホーテ』に元気をもらった観客は数え切れない。さらに凄いのは、1981年のデビュー以来、踊り続けていること。2004年からはジョージア国立バレエ団芸術監督という要職にも就き、グローバルなキャリアを生かして母国のバレエの振興にも心血を注いでいる。
しかも家庭では一女の母。ダンサー、芸術監督、妻であり母。ニーナはスーパーバレリーナなのだ。

取材・文 岡見さえ

大好きな日本で、すがる乙女として生き観客とひとつに

ニーナ・アナニアシヴィリ(ジョージア国立バレエ団芸術監督) メッセージ

日本をテーマとした大作を踊るのは初めてです。
ロシアでバレエを学んだので古典作品を期待されることが多いですが、35年の舞踊人生で、いつも新しさと独創性のある作品を踊りたいと望んできました。
牧阿佐美バレヱ団の独創性を追求し、そこに自国の文化を反映させる姿勢に共感しています。私もジョージア国立バレエ団の芸術監督として、バレエを通してジョージアを外国の方々に伝えたいと願っていて、ジョージアの伝説をテーマにしたバレエを構想したこともあります。
それに日本が大好きなので、日本に来て、日本がテーマのバレエを踊れることは大きな喜びです。相手役のルスラン・スクヴォルツォフはボリショイ・バレエ団で一度共演しましたが、全幕を踊るのは初めて。竜神役の菊地 研さんは、まだお会いしていませんが映像を拝見して良いダンサーだと思いました。バレエ団全体のレベルも高いですね。 
『飛鳥 ASUKA』は、伝説に基づいたバレエと聞いています。実はジョージアにも、人々のために命を捧げる乙女の伝説があります。私たちは様々な思いを抱えて、それぞれの運命を生きている。その中で、愛という感情があるのはとても幸せなことだと思います。
愛ゆえに、人は偉大になれる。ダンサーにとっては、愛は創造のエネルギーで、愛があるから深い表現と踊りができるのです。『飛鳥 ASUKA』には、愛や嫉妬、死という劇的な要素がすべてあり、まるで人生の縮図。これからすがる乙女の内面を掘り下げて、私自身の内面を見せるような演技をしたい。1000年前の日本ですがる乙女として生きたかのように踊って、お客様が感情移入して全員が涙をしていただけるような踊りをお見せしたいです。

須藤 晃(オーバード・ホール芸術監督) メッセージ

牧先生と知り合い、オーバードの年間バレエ公演のなかで、牧先生のバレエ団と仕事する機会を探していたところ、『飛鳥 ASUKA』が候補にあがりました。
この作品は、絹谷先生のアートワーク(舞台美術)を含め、大変素晴らしい内容です。
今回の上演のためにプロジェクション・マッピングの装置も揃え、東京ではなく、日本でも数少ない三面可動式の劇場であるオーバード・ホールで上演できるのを、大変嬉しく思っています。

牧阿佐美(牧阿佐美バレヱ団主宰) メッセージ

私の母であり、牧阿佐美バレヱ団の創立者の橘 秋子は、オリジナルの音楽を使った日本がテーマのバレエ作品をいくつか創作しています。
昨年の牧阿佐美バレヱ団60周年に、親孝行の気持ちもあり、そうした作品をバレエ団のレパートリーとしてまとめたいと思いました。大陸のさまざまな国の人が訪れていた飛鳥時代の日本を舞台とする作品を選んだのは、日本生まれでも外国で踊って不思議でない作品を作りたかったから。
今回、富山で上演できるのも、ニーナさんに踊ってもらえるのも、とても嬉しいです。
ニーナさんは、人間的なものを表現するのが上手なダンサー。
『飛鳥 ASUKA』では、主役すがる乙女の人間らしい部分と、竜神の妃となる場面で、異なる表現を見せていただけると期待しています。

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