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記者会見2

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質疑応答


質疑応答

Q. 劇場の大きさが違うため演出が変わるそうですが、
  どの部分が変更になりそうですか?
奈木 隆 (富山市民文化事業団 芸術監督)
オーバード・ホールは三面半舞台で、主舞台と言われる普段使う舞台、そして下手と奥に同じサイズの舞台があります。そしてこの舞台は如何様にでも動く素晴らしい劇場です。この作品では奥舞台を使用していて、パレードのシーンで、吹奏楽団が奥から出てくるという圧倒的なシーンがあるのですが、芸術劇場ではそれができません。ですが、舞台と観客がとても近いのでリアルなライヴ感が出てくると思います。奥行きはないですが、演出で如何様にでもなると思います。
演出はアメリカ在住の演出家ロジャー・カステヤーノ氏と東宝の寺崎秀臣さんにお願いしており、しっかり練りたいと思います。
Q. 約50年間、日本語の上演が許諾されなかった「ハロー・ドーリー!」ですが、
  何故、昨年上演が許されたのでしょうか?
奈木 隆 (富山市民文化事業団 芸術監督)
菊田一男氏が生きていらした頃、帝国劇場のこけら落としで上演したいとアメリカと交渉したそうですが、アメリカ側は日本人上演を許可せずブロードウェイのカンパニーが来日して1965年にメリー・マーチン主演で東京公演が上演されました。それ以来、日本語上演が許可されなかった理由のひとつは、この作品には多民族国家であったアメリカのフロンティア精神が入っているため日本人にこの作品が理解できるのかという懸念があったと思います。
そしてもうひとつにジェリー・ハーマンと親交の深い主演女優のキャロル・チャニングが30年以上この役を手放さなかったということがあります。他人が演ずることを許さなかったそうです。たまたま富山が手を挙げた時、キャロル・チャニングさんがもうこれ以上演じないとおっしゃった、ちょうど良いタイミングだったと推測されます。
Q. 剣さん、演じていて役作りで一番苦労された部分を教えてください。
剣 幸 (ミセス・ドーリー ギャラガー リーヴァイ役)
ジェリー・ハーマンの「ハロー・ドーリー!」という歌だけが独り歩きしている作品だと思っています。本当に作品の中身を知っていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。素晴らしい楽曲が実はこういう作品だったというところで興味を持ってご覧になるとは思いますが、曲が楽しい分、中身も伝わらなければいけないというところがあります。
ドーリーというのは生きていくことの意欲がすごくパワフルな女性です。
何故ホレスが好きなのか、ホレスが持っているお金を本当は若い人達に配らないと肥(こやし)にならないというところまで持っていく感覚は、日本人にはあまりないもので、それが観客に伝わるか・・・楽しい、可笑しい、ハッピーと思ってもらえるところまで持っていかなくてはいけないのは難しい事だと思っていました。ですが一人で考えるより、皆さんと一緒に創り上げていくと自然と出来ていくんだと思います。
Q. 市民参加ということですが、吹奏楽やオーケストラ以外では、
  どんなところで市民の方が入っていらっしゃいますか?
奈木 隆 (富山市民文化事業団 芸術監督)
全国オーディションでキャストを決定していて、アンサンブルキャストにも富山在住の方はいます。そしてヘアメイクや小道具制作手伝いなどスタッフワークでも市民が参加しています。必ずしも演じるだけが市民参加だけではないと思っています。仕事を持っていても一生懸命踊りや歌のお稽古をして切磋琢磨している方達を吸い上げたいと思っています。
僕はアメリカに3年間いましたが、その時にリージョナルシアターを何本か観ました。出演している市民のレベルは非常に高く、彼らがやりたいミュージカルをやるために、ブロードウェイから1〜2人呼んでプロダクションを作って上演しているんです。それがブロードウェイに匹敵するくらいのレベルで凄いなと思いました。日本でも同じようにできればと思っていました。
Q. はじめて富山以外の上演が実現することになりましたが、
  今後東京もしくは他県の公共劇場などでの上演や連携について
  ビジョンがありましたら教えてください。
奈木 隆 (富山市民文化事業団 芸術監督)
やはり作品は資産ですからレパートリーとして今後、引き続き再演したい想いはあります。ですが、私の任期の問題と、施主の富山市の考えというものもあります。ただ富山市長には、どんどんミュージカルをやっていこうと言っていただいています。個人的には、お声があればどこにでも飛んで行きたいと思っています。剣さんが了解していただければ富山出身の女優として、いつもカンパニーの真ん中にいてくれたらと思っています。また自分の任期が切れたとしても財団にいるメンバー達に受け継がせて、この灯が消えないようにやっていってほしいと思います。