Interview

上野聖太&中村桃花vol.11:
上野聖太(ビリー)&中村桃花(ジュリー)

第11回目のインタビュー、最後を飾って頂くのは主役のお二人!ビリー役の上野聖太さんとジュリー役の中村桃花さんに、開幕に向けての思いをうかがいました。

Q.全キャストがそろい、連日熱い稽古を行っています。稽古場の雰囲気はいかがですか?

上野:本当に熱いです!特にアンサンブルの皆さん、バレエのキャストのパワーは最高です!負けてられないです!先日出演者がほぼ全員出てくる冒頭の遊園地のシーンの稽古をやったんですが、活気があって本当の遊園地みたいで楽しかったです!!

中村:日を追うごとに各シーンが深く濃くなっていくのを感じます。最近は通し稽古も始まったので、シーンごとの繋がりもみえてきました。全キャストそれぞれが、それで得たものや演出家からの課題を噛み砕くために日々作品とそして自分自身と向き合っています。

上野聖太Q.3月5日から富山に滞在いただき、すっかり富山市民のお二人。ゆっくりできるお時間はない稽古スケジュールですが…富山ライフはいかがですか?

上野:え〜と、ホテルと稽古場の行き来しかしてないんですが…。こないだライトレールに乗りました!あとは富山駅前のコンビニの場所はだいたい把握したぐらいかな(笑)。空気はうまいです!!

中村:お稽古場と宿泊先の行き来だけで…残念ながらまだ富山を堪能できていませんが、窓から見える山々に毎朝力をもらっています!余裕が出来たら、「世界一のスターバックス」に行こうかと目論んでいます(笑)。

Q.あと少しで、私たちの『回転木馬』が生まれますね。

上野:そうですね!お客様の前に出るまでにまだまだ進化し続けなければなりません!オギャー!!

中村:衣装合わせも終えて、日に日に作品の全体像が見えてきました。また、劇場で舞台稽古に入り、舞台装置や照明とご対面し、そしてオーケストラの皆さんとお会いできる日もとても楽しみです。

Q.ビリーとジュリーの愛の形をどう思いますか?

上野:ここまで愛し愛されるって素敵なことだと思います!僕もそうなりたいなあ(笑)!ただビリーとジュリーはいろんな点で運が悪かったんですよね…。

中村:んー…意外に難問ですね…(笑)。唯一無二でしょうか。ビリーとジュリーだからこそ築けた愛の形。運命の出会いだったと思ってます。

中村桃花Q.この作品は、二人にとってどんな出会いになりそうですか?

上野:まずこの『回転木馬』という作品に出会ったことは一生忘れられません。そして仲間やスタッフさん達に出会えたこと、これを幸せに思う為には、舞台を成功させないといけませんね!!そしてまだ見ぬ数多くのお客様に、劇場で出会えるのを楽しみにしています!

中村:人生の大きなターニングポイント。人間として、俳優としての成長の糧となるよう頑張りたいと思います。新たなスタートラインにしたいです。

Q.『回転木馬』を応援してくださっている皆様に向けて、メッセージをお願いします!

上野:『回転木馬』を楽しみにして下さっている皆さん!良い作品にしようと現在、キャスト・スタッフが全力で奮闘しています!その姿を見せてあげたいくらい(笑)!完成した僕らの『回転木馬』楽しみに待っていて下さい!!

中村:『回転木馬』開幕を楽しみにしてくださっている皆様。いつもありがとうございます。今、お稽古場では、皆様に最高の舞台をご覧いただけるようカンパニー一同作品創りに励んでおります。現在日本は大きな災害を受け、精神的にも大変なときです。そんな時、海外から多くの救助隊や救援物資、救助犬まで駆けつけてくれていることに、私はとても感動してしまいました。人と人、国と国が思いやり、支えあう。素晴らしいことですね。この『回転木馬』という作品をご覧頂き、皆様のお心が少しでも穏やかになりますよう、これからも頑張ってまいります。それでは、劇場でお待ちしております!!

全11回、お付き合い頂きありがとうございました。次は劇場でお会いできるのを楽しみにしています!

石田太郎vol.10:
石田太郎(天上の裁判官役/特別出演)

第10回目のインタビューは、天上の裁判官役として特別出演の石田太郎さんにお話をうかがいました。

Q.ラストシーンのセリフ、しびれます。誰もが何かに悩みながら生きている、だからこそ響きます。そこに込められる思いは?

長い道のりを歩み続けて行きつく人生がある。自分自身の人生に置き換えてもそうだし、私が僧侶であるところから、仏法の上でも結局、絆、つながり、寄り添いというものがイコール真実の生き方というか、本当の生き方なんじゃないかなって。もちろん真実というのは、その年齢、経験、性別とか、人によって違う。でもこの最後のセリフで言っているように、“一人で生きているわけではない、みんなつながりというものがある、それを大事にしていきたい”という思いですね。

Q.天上の裁判官という役をやろうと思ってくださったのは?

最後のセリフに込められた、絆とかつながりとか、一人で生きているんじゃないよ、みんなお互いに支え合いながら生きているんだからそれを大事にしようよ、というメッセージ。今の社会では、目に見える自分の生活に追われっぱなしで、もっと本音の部分、どうやって生きていくのが一番いいんだろうか、みたいなことがどうも希薄で見失いがちじゃないですか。そういうことをビリーが死を通して最後に気づいていく。そういう意味で非常に現代的、日本の現状に非常に合っているドラマだな、と思ったからね。
この作品のもとになった『リリオム』ができた当時の、日本で紹介されたものやあるいは外国の作品を観ても、何となくファンタスティックというか、あまり現実的でない感じを受けていた。でも、それがいまや日本では、逆にものすごいリアリティを持つドラマになってきているんだよね、不思議なことに。

Q.現在、俳優と僧侶のお仕事の二足のわらじを履いていらっしゃいますが、俳優と僧侶、似ているところはありますか?

感性−感受性と、想像力−イマジネーションの力が、両方とも必要不可欠なものであるということ。芝居でいうと、これはどういう話で、この人物はどういうキャラクターで、という情報がまずたくさんあって、その上で言葉が出てきて肉体が反応する、そういう意味の感性ね。だから観て聴かないと、感性っていうものは働かない。俳優はそれを表現するもの。僧侶は自分から訴えるわけではないけれど、人の悩みや苦しみを聴く、聴く耳を持つ、本当に自分の体の奥底で聞けるかどうかということだよね。インプットとアウトプットで違うかもしれないけれども、そういう共通項があるよね。

石田太郎Q.石川県金沢市で僧侶をされていますが、お隣富山での今回のミュージカル制作をどう思われますか?

すごく壮大なことだと思う。石川県っていうのは美術だとか工芸だとか、そういう昔からの伝統美術が盛んで、市民の人たちも工芸美術に関してものすごく興味を持っているし、県自体も街自体もそういう風な流れになっている。京都からの輸入もあってか、そういう独自の文化っていうのを創り上げて自信を持っている。一方で富山はそういうものが希薄な分、誰がどう始めたか知らないけれども、演劇というものに力を入れ始めたんじゃないかな。高校演劇もレベルが高いし、人数も多い。それは指導する先生たちの情熱あってのものだと思う。

Q.足掛け4年、富山で高校生対象に演劇ワークショップを行ってくださっていますが、今後も力を入れていきたいですか?

いや、入れざるを得ないでしょうね。文化ということを考えればね。日本ではますます言葉の重みがなくなってきている。重みというのは要するに、言葉のリアリティというか、人を説得する、逆に聴く耳を持つ、それで素直に反応するということ。それはもう人間のコミュニケーションのベースじゃない。それが何もワープロだとか、インターネットだとか、携帯のせいだとは言い切れないけども、でもそういう世の中便利な、人間の体を通さなくても交信できる機械がいっぱいできているから、どうしたって人間はそっちにいくじゃない。そうすると持っている能力が衰えてくる。それを歯止めする気はないけれども、僕たちは日本の国で日本人として日本語を使って生きていくんだから、きちんとあるべきものはみんなしっかり持とうよ、ということだからね。

Q.演じることの魅力は?

例えば、作家は書くことが楽しい、アスリートは運動することが楽しい、というのと同じように、役者も表現することが楽しいっていうこと、結果的にはね。そういうのに尽きる。肉体と精神のカタルシス(精神浄化)、作者の世界観を観客の前で演ずることが楽しいんだよね。それと同時に、それを演ずるために、歴史、哲学、時代背景とか全部勉強するでしょ?それが楽しい。自分が豊かになるということだから。

Q.映画「ルパン三世 カリオストロの城」カリオストロ伯爵役など声優としてもご活躍の石田さん。人の声が持つ力、は何でしょう?

なんでしょうね。聴く人たち観る人たちが、僕のやっている役の存在感というものを観て感じて、たとえアニメでも、あぁ生きているんだなこの役は、と思ってもらえたら。画に命を吹き込むということかな。

Q.最後にメッセージをお願いします。

演劇という芸術は非日常の世界へ誘ってくれます。それは、日頃閉じられた心の中にある真の自分を発見させたり、再生させてくれるものだと思っています。日本全体が閉塞している現代ではそれはとっても大切なので、ぜひ演劇に興味を持ち続けて下さい!

剣 幸vol.9:
剣 幸(ネティ役/特別出演)

第9回目のインタビューは、ネティ・ファウラー役として特別出演の剣幸さん。宝塚歌劇団、そして富山の出身でもある剣さんにお話をうかがいました。

Q.いよいよ、富山で夢のミュージカルが生まれます。今のお気持ちは?

今までにない『回転木馬』になるだろうという期待で、わくわくしています。富山の皆さんとご一緒に、こんな素晴らしいミュージカルができるということが、本当に幸せですね。

Q.「You’ll never walk alone」、この物語のメインテーマでもある名曲。剣さん(ネティ)の歌声が楽しみです!

ドキドキしますねー。今まで経験してきたことのすべてを総動員して、“総力あげて”歌わせていただきたい、と大それたコトを思っています!!(笑)
聞いてくださったすべての方々に勇気を与えられるように、と。理想は高く!ですね。

Q.『回転木馬』が1945年の初演以来愛され続けている理由は何だと思われますか?

親が子を想う、人が人を想う、という普遍的なテーマがファンタジックに描かれているところでしょうか。楽曲も素晴らしいし、幻想的なバレエシーンもあり、ミュージカルの醍醐味がいっぱいつまっているところだと思います。

剣幸Q.演じることの魅力は何でしょう?

舞台は決してひとりではできないもの、みんなの力で創り上げるものだと思っています。まさしくこの作品のテーマにもつながります。この仕事はそういう素晴らしさに触れられるし、また演じる役からも様々なことが学べる。
簡単には言い表せないけれど、やっぱり一度やったらやめられない!という感じですね。

Q.剣さんにとって、舞台の上はどのような場所ですか?

遊園地のシーソーかな。楽しくもありスリルもある。快感でもあり危険でもある。そんな場所です。

Q.剣さんにとって、ふるさと富山はどのような場所ですか?

どこにいても、故郷があると思うだけで、力・パワーをもらえる。そして故郷に居たら、どこにも力が入らないで居られる。かけがえのない場所です。

Q.開幕に向けて、メッセージをお願いします!

今まで、これほど本格的なミュージカルは富山にありませんでした。富山の方々とご一緒できるのは、本当に楽しみです。皆さん、どうぞ「ミュージカル」という世界、そして『回転木馬』の世界に浸ってください!

宮島春彦vol.8:
宮島春彦(訳・台本・演出)

第8回目のインタビューは、このミュージカルのまさに“総料理長”、訳・台本・演出を手掛けてくださっている宮島春彦さんにうかがいました。

Q.開幕が近づいてきました。富山、東京で連日のように稽古を行っていただいていますが、手ごたえは?

長い期間をかけているけど、今はまだ東京と富山を行き来しながらとびとびの稽古なので、全体をじっくり考えながらといったところでしょうか。部分部分をしっかり作って、3月に一気にまとめ上げようと。まるでジグソーパズルを一つ一つ埋めていくような稽古なんです。何しろ80人以上のキャストが相手でしょう。皆さんが持っている力を何らかの新しい形で発揮してもらおうと思うわけですから、細かい手続きと時間がかかるんですよ。第一、名前を覚えるのさえ大変で、もう年ですから…(笑)。
キャスト以外に音楽、美術、衣裳、3面舞台のあるオーバード・ホールならではの舞台転換などなど、スタッフワークも何とかまとまりつつあるところです。特に音楽監督・指揮の梶さん、歌唱指導の碓井さんには、ミュージカルだから当然なのですが、発声に始まり、歌唱にじっくり取り組んで頂いています。まだまだ頭の中のイメージが頼りで、多くの人たちの力がぶつかり、からみ合って、私のイメージを越えて仕上がってくれるようにと思うんだけど、そう思うほど、基礎工事をしっかりやらねばと。責任重いですねぇ。

Q.今回は、新たに日本語の訳から取り組んでくださいましたが、どのような作品を、舞台を目指していますか?

プロデューサーの奈木さんに言われて、一昨年この作品の舞台を観て、DVDでアメリカ映画も観ましたけど、よく分らなかったんです。そこでゼロから原作に向かい合いました。昨年の正月休みに英語台本を読み、やっと作者たちの狙いが分かり、台本作りを始めました。ただ1940年代の作品ですから、現代と作品展開のテンポ感覚が違うところやちょっと驚くような強引なところがあるし、根底にプロテスタント系のキリスト教もあるし、結構苦労しました。
それに、歌詞。これまでアメリカン・ミュージカルでは誰もがやって来たことですけど。英語のリズム、イントネーションをベースに作られた曲に日本語を乗せるのが大変でした。今でも時々キャストに気を使いつつ直してますけど(笑)。いわゆるプロの訳詞者に頼まず、以前に奈木さんや私と一緒に仕事したことのある作詞家の尾形香代子さんと共同作業でやりました。それを梶さんや碓井さんに見てもらい、さらに大きく手を入れました。とにかく原詩の意味を尊重しつつも、観客の耳に入りやすいことが大事です。ブロードウェイやロンドンの舞台に捉われずに、富山の観客の皆さんを相手にしているんだと腹をくくりました。普通はカットする歌まで生かしたりもしたんです。お手本なんかありません。音楽と台本は使いますけど、とにかく我々が独自に作るミュージカルにすればいいんだと。

宮島春彦Q.リチャード・ロジャーズとオスカー・ハマースタイン二世コンビの作品としては、『回転木馬』は『サウンド・オブ・ミュージック』よりずっとおもしろい、と先生はおっしゃっていますが、どのようなところがでしょう?『回転木馬』の魅力は?

『サウンド・オブ・ミュージック』も『王様と私』もそれぞれ自伝めいた原作があるのです。作詞・音楽のコンビの彼らは常にミュージカルの種本を探していたのでしょう。彼らは、1920年代でしたか…に書かれたハンガリーの「リリオム」なる芝居に目をつけた。世界の各地で上演され、日本でも何度か上演された、まあ名作です。『あるならず者の生と死』というサブタイトルにあるように、ある若者の無責任な生き方を扱い、死後の彼に後悔や贖罪の意識がどう生れるかを描いています。『サウンド・オブ・ミュージック』には今でも映画にやたらと描かれるナチスという外敵があり、それにどう抵抗して脱出するかを描いているし、『王様と私』はあえて言えば、傲慢な西洋がエキゾチックな東洋をどう教化し民主化するかという、現代アメリカの政治につながる思考がベースになっている。
『回転木馬』にはそういうアメリカ人の意識はない。キリスト教の発想はあるにしろ、もっと普遍的で、人間の犯す愚かな罪とそれに下される罰、さらには贖罪、という我々にも充分切実な、純粋に人間的なテーマが展開されている。さらに、貧富の格差、“いじめ”などの現代に通じるモチーフも盛り込まれているし、人を愛するとはどういうことかというテーマも根底にある。要するに、予定調和ではなく、結末が開かれている。観る者に見終った後も何らかの思考を強いる。そこがいいんです。あえて言えば、ごった煮で、まとめ方が下手で、一つのまとまった結末に導こうとしていない。…恐らく私はその点を作品の内容以上に強調すると思いますけど。そこがこの作品の魅力です。

Q.ミュージカルからオペラまで幅広く演出されている先生。演出される際に大切にされていること、心がけていることは?

特にありません。常に無手勝流です、はい(笑)。一つ前の質問に対する答えでもう答えているでしょう?原作を尊重しつつも、今の時代を生きる人間として、私の精神に触れてくるものにこだわる。あとはもう稽古です。そこで一人一人のキャストに眠っている可能性を目一杯発掘して、広げてもらうように努めること。その目線はスタッフワークに対しても同じです。要するに、観客に刺激的な素材を提供し、自由に受け取ってもらう。結局私は今を生きている観客の代表なんですよ。

Q.先生にとって、オーバード・ホールはどんな空間でしょう?

手ごわい空間です。舞台も客席も広いし、エア・ボリュームが大きい。それをどう充実した、密度のある空間に変えるかが常に問われます。それに三面舞台。本来あの機構はヨーロッパのオペラハウスで日変わりの演目のセットの入れ替えをスムーズに行うためのもので、観客の前で動かして見せるものではありません。ただ、贅沢な劇場設備であることには違いないし、それを期待している観客もいますから、作品展開にそれなりに取り入れますけど。これは大変難しいんですよ。その際のテクニカルな諸問題を常に的確に整理し、貴重な提言をして下さる、テクニカルディレクターの毎熊さんや照明の渡部さんがスタッフとしていてくれなければ、とてもやれることじゃありませんが。

宮島春彦Q.メイン、アンサンブル、バレエ、80名以上のキャストが歌い、踊り、フィナーレにはコーラスメンバーも加わった大合唱!この大きなプロジェクトについての思いをお聞かせください。

うーん、こんな贅沢なプロダクションは世界でも例がないでしょう。もちろん文化事業団の皆さん、奈木プロデューサーの努力で初めて可能になったことですが、普通この作品では、15歳の中学卒業生と20代の女工を同じキャストがこなすんですよ。経済効率から言っても当然そうなります。せいぜいキャスト30人未満で編成する作品です。それをそれぞれの年齢に応じたキャストを配して行うなんて有り得ないことです。もちろん富山以外のキャストも大勢加わっていますが、逆に言えば、富山にはそれだけの人材がいるということになるでしょう。前代未聞の驚くべきプロダクションです。

Q.演劇にたずさわって、愛し続けて50年以上。その情熱はどこから?生まれかわっても、演劇人でありたいですか?

うーん、私は転生を信じていませんけど(笑)、エディット・ピアフのこういう歌があります、「私は何一つ悔いない。これまでいいことも悪いこともあった。今やどちらも同じに思える。私は過去の記憶に火を放ち燃やし尽くした。だから今はゼロだ。これから新しい人生が始まる」。すごい歌詞でしょう?これで答えになっていますか?僕は偶然と出会いの中でたまたま演出者になったに過ぎません。努力はしましたけど、オクテで世間知らずだっただけで、才能なんてものがあったとも思えない。現世ではまだこだわりますが、来世はどうでもいい(笑)。

Q.最後に、ひと言お願いします!

責任重いです(笑)。

柳川玄奈&中島亮&森隆俊vol.7:
柳川玄奈(ミス・マリン)&中島亮(ジガー)&森隆俊(バスコム)

第7回目のインタビューは、ミス・マリン役の柳川玄奈さん、ジガー役の中島亮さん、バスコム役の森隆俊さんにうかがいました。
(写真は左から柳川玄奈さん、森隆俊さん、中島亮さんです。)

Q.ミス・マリン、ジガー、バスコム、それぞれ物語に深みを与える重要な役どころですね?

柳川(ミス・マリン):嫉妬により感情的になり、ビリーを解雇する。しかし、その後も金、色気、言葉でビリーの心をゆさぶる…脇役の悪役(?)、役者冥利に尽きます。

中島(ジガー):はい。ジガーはビリーを悪の道に誘い込み、運命を大きく変えてしまいます。

森(バスコム):バスコム社長は、当時の貧富の差が大きい時代背景を表す重要な位置付けだと思っています。このドラマの中では、経営者の力が大きければ大きいほど豊かさと貧しさが鮮明になり、その貧しさの中に悪が芽生えてしまう。しかし、社長と言えど所詮人間、富を維持する為日夜自分という人間と戦っている。そんな人間っぽさも出せればいいなと思っています。

Q.ミス・マリン、ジガー、バスコム、それぞれ自分と似ているところ、共感するところはありますか?この役はお好きですか?

柳川:ミス・マリンの持つ独特の『感の鋭さ』、湧き出る喜怒哀楽を短い台詞の中に巧みに盛り込む。一見悪女だけど、実は女性があまり露わにしない感情を剥き出しにしてしまう。観ようによってはかわいい女なのではないかと思います。回転木馬の為、ビリーの為、実は自分のために必死でビリーを口説くところが好きです。今までにやったことのないキャラクターなので挑戦しがいがあります。

中島:似ているところ…あったら大変です(笑)。
いや、あると思います。腹黒いところとか…。自分の欲求に正直に生きるという部分には、どこか憧れみたいなものはあると思います。あと、基本的に悪役好きなので。

森:私も仕事上色々な経営に携わる方とお会いする機会が多いのですが、社長とはなかなか大変な職責だと思っています。豊かさと幸せとはイコールにはならず、どこか帳尻があってしまうもののようです。中間管理職の私からすれば、バスコム社長の立場がちょっぴり分かる様な気がします。

柳川玄奈Q.プロの役者さんたちと共演されることになりますね。台本と向き合い、稽古が進んでいる今、どのような心境ですか?

柳川:最初は映画の中のミス・マリンのテンションやパワーに引きずられていって、自分と役の間に隔たりがありましたが、脚本にかかれていない行間をお稽古の中で肉付けしていくうちに、ようやく自分なりのミス・マリンになりつつあります。
台本への読みの深さと速さの違いを、プロとアマチュアの差として感じています。早く追いつきたいです。

中島:心境…いっぱいいっぱいです(笑)。
やっぱりプロの方はすごいなあと思いながらも感心ばかりしてもいられないので、自分に与えられた課題を一つずつしっかり取り組んでいこうと思って稽古に挑んでいます。初めての事ばかりで日々勉強です。

森:プロの役者さんたちとの共演は初めてで、どんな芝居造りが出来るのか大変楽しみにしています。おおいに刺激を受けたいものです。

Q.『回転木馬』という作品の魅力は?

柳川:「誰かがそばに」を全員で合唱していると自然に涙が溢れてきます。
いろいろな愛の形を通して、最後には「一人ぼっちはイヤ!」と、誰しもが心のなかで覚える不安を優しく解き放ってくれるような素敵なお芝居だと思います。

中島:富山や東京、他にもいろんな所から人が集まり、プロアマ混成でこれだけのものを創るというのは他に無いと思います。これからどうなるのかわかりませんが、間違いなく素晴らしい舞台になると思います。

森:この作品は、恵まれたお嬢様のロマンスではなく、貧しさの中でひたすら幸せ、可能性を求め、自分らしさをつかんでゆく。自分の求める幸せが何なのか、自分らしく生きるとは何なのか、皆と生きるとは何なのかを気づかせてくれそうです。

中島亮&森隆俊Q.富山で舞台に立ってきた皆さん。このミュージカルで新たにどんなことに挑戦したいですか?

柳川:今回、稽古中にネティの代役をするため歌唱のレッスンも加わりました。これを機会にオペラなどにも挑戦出来るよう訓練したいと思います。

中島:演出の宮島先生からは、今まで自分がやって来たものをあえて捨ててやれば、自分の新たな可能性が広がると言われています。とても難しいですが、それができたらどんな自分と出会えるのか楽しみです。

森:このようなスケールの大きい舞台の中でも、きっちり自分自身を表現できることを目指しています。

Q.最後に、意気込みをお願いします!

柳川:高校卒業を前に、親の反対を押し切ることができず舞台への道を断念致しましたが、“いつかは舞台女優になる”という夢を持ち続けてきました。諦めず、希望を胸に進んでいけば夢はかなうんだと今実感しています。演劇の神様が見守ってくれていることを信じ、幕が下りた時には客席から大喝采が起こり、皆様から「楽しかった」「来て良かった」と感動してもらえる舞台を目指して頑張ります!

中島:これだけ大きな舞台で、しかもプロの方と共演できる機会なんてまずないと思うので、後悔のないよう精一杯取り組んでいきたいと思います。背伸びしすぎず自分なりのジガーを作って、ちゃんと回転木馬の世界の中で生きられたらいいなと思います。

森:とにかく素晴らしい舞台を見てほしい気持ちでいっぱいです。持ち合わせの力を出し切りたいと思っています。

梶俊男&碓井智子&清水香里vol.6:
梶俊男(音楽監督・指揮)&碓井智子(歌唱指導)&清水香里(コレペティトゥール)

第6回目のインタビューは、音楽監督・指揮の梶俊男さん、歌唱指導の碓井智子さん、コレペティトゥールの清水香里さんにうかがいました。
(写真は左から梶俊男さん、碓井智子さん、清水香里さんです。)

Q.オーディションからの日々、本番まであと2か月。歌稽古の手ごたえはいかがでしょう?アンサンブルキャストは?そしてメインキャストは?

梶:皆さん熱意と努力とをひしひしと感じます。特に富山へ通いの県外在住の人達は大変だろうなあと思っています。
しかし、コーラスは精度という点でもう一歩二歩上を目指して、素晴らしいアンサンブル・コーラスだったと観客の皆様に言って頂けるよう頑張っていきたいと思っています。
メインの方々は個性派揃いで稽古をしていて私の方が楽しくなってきます。キャラクターがはっきりしているのが良いですね。

碓井:皆さん、頑張ってます。アンサンブルキャストの方々の熱気はすごいです!何時間歌ってもパワーが衰えず、呼吸・発声・発語・リズム・音程など、とても真剣に取り組んでいます。声もどんどん出てきていますし。 メインキャストの方々もすごく反応がよく、自分の思いをメロディーに乗せ表現しようとする思いが伝わってきます。 基礎訓練をしっかりとやり、どんな状況になろうとも(演技や踊り)歌がぶれることなく、あらゆる表現が自然にできるようにがんばりましょう。きっと素晴らしい歌声になるでしょう。絶対!!

梶俊男Q.難しい・・・と聞こえてくる『回転木馬』ミュージカルナンバーですが、どのようなところが難曲なのでしょう?一方その魅力は?

梶:どれがどう難しいということは無いのでしょうけど、作品自体が古典的なミュージカルといえばよいのでしょうか、クラシックの喜歌劇とウェストサイド・ストーリーの間のような作品です。作品年代的にもそのような時期、1945年に作られています。
「If I Loved You」のような曲はシンプルですがクラシックの歌手も歌うような歌唱力を求められる曲ですし、主役ビリーの歌う「Soliloquy」は一人で7〜8分歌うレチタティーボ・アリアと呼んでよいような、一人で多様な感情・状況を歌う歌曲です。ビリー役の上野さんは去年から練習で付き合って、彼は普段はすごく清々しい人なんですけど、そういう人が世間や世界に対する捻れや憤懣やるかたない感情、また最後で浄化される自らの精神をどう表現するのか。期待しています。

碓井:1940年代のアメリカでは、クラッシックの作曲家たちにインスピレーションを求めたブロードウェイの作曲家たちが、「オペラ」とは違う独自の言葉・歌唱様式を持つブロードウェイのミュージカルを急速に進展させていたんです。だから、ちょうど同じ時期に創られたこのミュージカルは、とてもクラシックに近いものがあり、オペラティックで、声域の幅も広いので、体をしっかりと使って歌うことが求められます。それで、大変に難しいのだと思います。それゆえにクリアできた時には、魅力ある、スケールの大きい、深みのある曲になるのです。

Q.名曲ぞろいのミュージカルナンバーの中で一番お好きなのは?

梶:客席で聴くならキャリー、ミスター・スノーのナンバーは素晴らしいですし好きですね。この二人の歌う曲は和音もしゃれていますし。いわゆるスタンダード・ナンバーに入っても良さそうな曲です。

碓井:ずっと以前から「If I Loved You」が大好きでした。とても素敵なバラード。この歌の主人公はためらいながらも、内に熱いパッションを秘めています。さまざまな想いが重なり合わさっている伏線のある曲で、歌う楽しみがあるのです。
今回なんと、もう1曲増えてしまいました。「You'll Never Walk Alone」です。宮島先生がとても素敵な日本語訳を付けてくださいました。—嵐の時も 顔を上げて 歩き続けよう— 何度聞いても、何度歌っても、涙がこぼれてきます。確信に満ちた、大きな大きな歌です。最高!!

清水:たくさんあります♪でも、あえてあげるならやっぱり、「You’ll never walk alone」でしょうか。聴いていると元気になります。

Q.さて、清水先生。稽古を支える稽古ピアニスト、コレペティさんとして必要なことは?大切にされていることはありますか?

清水:まずは、何よりも楽譜に忠実に弾くこと。作曲家の楽曲に対する思いが全て込められているので、着実に誠実に再現することが大切だと思います。そして、歌い手さんがその気持ちをさらに盛り上げ、表現することのお手伝いをすることが必要だと思います。

清水香里Q.ピアノを弾き続けて頂く大変なお仕事ですが、コレペティさんの魅力は何でしょう?

清水:私がこの仕事に魅力を感じているのは、大きな舞台を創り上げていくことを体感出来ることです。パズルでいえば、私が担うのは小さなピースの一つです。しかし、数か月かけ、スタッフやキャストがそれぞれ温め練り上げた沢山のピースが、最終的に一つのパズルになり、そしてその完成度が高ければ高いほど、感動が深くなります。その感覚が「やめられない!」と中毒のようになっているのだと思います(笑)。

Q.この舞台で、どんなハーモニーが生まれるでしょう?どのようなミュージカルナンバーを目指していますか?

梶:なかなか、この物語は難しいですよね。いわゆる昔の「呼び込み屋」渡世人、そして貧困な生活状況のビリーが、キリスト教では禁忌とされる自殺をし、娘の出生を知ってあの世でまっとうな精神の持ち主になる。その間の筋立てが私のような日本人には、なかなか理解し難い。その辺は演出家の宮島春彦氏が解読、解答を与えてくださると期待しています。
しかし、娘ルイーズも含めた「You’ll Never Walk Alone」という希望を持った結末に向かうミュージカル=音楽劇です。私としては、与えられた楽曲を芝居の展開と連動して、そこにあるべきような形で皆様に観て聴いて頂き、更に音楽として感動して頂けるよう努力したいと思っています。

碓井:アンサンブル、メインキャスト共にチームワークがいい感じなので、きっと素晴らしいハーモニーが生まれると思います。思いたいです(笑)。パートで分かれているところが多々あるので、基礎である発声・音程・リズム・言葉をしっかりと意識し、稽古に励んでほしいですね。そうすれば、ひとりひとりの息づかいや表情が輝き、深みのある生き生きとしたハーモニーが客席に届きますよ!

Q.梶先生に指揮して頂く、桐朋オーケストラ・アカデミー生達による“特別編成オーケストラ”の生演奏が楽しみです。今回、音楽的にどんな点を心に留めて創り上げてくださっていますか?

梶:楽譜を見る前にプロデューサーの奈木さんと音楽の話をしていて「弦はやはりシンセでは無く本物だ」などと放言してしまい、今となってはいささか荷が重くなってきています。それは、パート譜を新たに起こすとか、それに伴って楽器間で音の変更・転換を余儀なくされるからです。その代わり、指揮者としては当たり前の仕事ですが、スコアを細部にわたって非常によく読まなければならないので良い勉強になります。
冒頭のプロローグと第二幕後半のバレエ・シーンは、オーケストラのみの割りと長い演奏曲ですので、桐朋オーケストラ・アカデミーの皆さんの素晴らしい演奏をご堪能頂けるのではないかと思っています。

碓井智子Q.音楽を仕事にされ、音楽がいつもそばにある皆さん。音楽の力を感じる時はどんな時ですか?

梶:音楽の力を感じるというよりも、音楽というものに対しての、特に創造するということへの自分の非力さを、作品を作るたびに感じるこの頃です。
それでもこれを続けるしか自分には無いと思わせる、魅力・魔力が音楽にはあるということでしょうか。

碓井:いろいろな所で音楽に携わらせて頂いていますが、音楽は気持ちを豊かにし、希望や勇気を与え、喜びも悲しみも受け入れ、そして、人の心と心を共鳴させ結びつける不思議な力を持っています。歌い手として、私は1つの曲を作り上げていく過程(言葉と音符の1つ1つに生命を吹き込む)が好きです。その作品を聴いてくださった人と心の触れ合いが生まれた時、音楽ってすごいなぁーと感じます。いつも感じています!

清水:“目に見えない”にも関わらず、人々を喜ばせ、嬉しがらせ、興奮させ、悲しませ、泣かすことが出来ることでしょうか。人間に与えられた五感をフルに使い、イマジネーションの世界を旅するとき、最高に幸せな気持ちにしてもらえます。

Q.キャストたちへ、熱いエールをお願いします!

梶:この『回転木馬』に参加することになって、足掛け2年になりました。オーディションが終わった辺りでは「まだずいぶん先だなあ」などと思っていました。しかし稽古が始まると早い早い。本番までもう3ヶ月を切ってしまいました。
だんだん通し稽古が多くなるとディテールが崩れがちになってきます。1月は細部を詰める最後の時期と考え、集中力と熱意をもって本番に向けて一緒に頑張りましょう。

碓井:このミュージカルは、いろいろなメッセージを発信していると思います。しっかりと届けるためにも、各自が責任を持って演じ、歌うことが大切です。大丈夫!You can do it!素敵な音楽に囲まれ、舞台に立てる。しかもオーバード・ホールで!!一緒にがんばりましょう!

清水:感動の舞台まであと数ヶ月。You’ll never walk alone!みんなで創り上げましょう!!

後藤いずみ&石井千智vol.5:
後藤いずみ&石井千智(ルイーズ<Wキャスト>)

第5回目のインタビューは、ビリーとジュリーの娘、ルイーズ役としてご出演の後藤いずみさんと石井千智さんにうかがいました。
(写真は左から石井千智さん、後藤いずみさんです。)

Q.岩田守弘さんとパ・ド・ドゥを踊りますね!どんなお気持ちですか?

後藤:最高に嬉しいです!!世界で活躍なさっている岩田さんと共演できるなんて夢のようです。

石井:オーディションに受かり岩田さんと踊れるとは夢にも思っていませんでした。ボリショイ・バレエ団・第1ソリストの方と踊れる事をとても光栄に思います。クラシックバレエの技術や解釈を深める事ができ嬉しいです。そして、岩田さんとのパ・ド・ドゥでお客様を魅了し、クラシックバレエの魅力を伝えたいです。

後藤いずみQ.もし自分がルイーズだとしたら・・・せつないですね。どんな気持ちを込めてルイーズを踊りますか?ルイーズを深めていきますか?

後藤:そうですね。実は私、2年前に病気で父を亡くしているんです。幼いときにいじめにあったこともありました。そして今家族は母と私の二人です。ルイーズと全て状況が同じではないですが父親がいない彼女が、いじめに耐えるその姿は人ごとではないんです。辛くて悲しくて、どうしようもないとき、私を支えてくれたのは母や周りの友人たちでした。この作品のメッセージである「人はひとりでは生きていけない」という言葉は胸にジーンときます。温かい周りの人に支えられて今の自分がいるんだと、改めて感じたあの気持ちを大切にルイーズを演じたいと思います。彼女が抱く感情の移り変わりを表現するのはとても難しいですが、喜怒哀楽を踊りで表現しようと思います。

石井:まず、自分自身がルイーズそのものだと思って、踊りたいです。暴力的で身勝手、評判が悪く既に亡くなっている父をもち、それによっていじめられているという境遇。ルイーズを深めるために、ルイーズの心境の変化を1つ1つ私の心の中に感じ取り、自分の中からの表情を表現していこうと思います。

Q.Wキャストということで、意識することはありますか?

後藤:多少はありますよ。ルイーズ役のみWキャストですからね。でも私は私にしかできないルイーズを演じようと思っています。

石井:意識することは多少あります。いずみさんはベテランの方ですが私は初めてのミュージカルでもあり、いずみさんから、演技・表現など教えて頂く事が多々あります。だから、私はこれまでのクラシックバレエの持ち味を生かして表現し、私自身のルイーズを舞台でお見せしたいです。

Q.バレエでは言葉を使わずに表現しますが、今回はミュージカルということで、お芝居もセリフも歌もありますね。大変ですか?ミュージカルの魅力は?

後藤:とても大変です。4歳からバレエを習っているので、踊って表現することには全く抵抗はないのですが、セリフに歌となるとかなり緊張します。3月まで猛稽古ですね。
バレエは言葉を必要としない分、世界中どこで上演しても誰もが観て楽しむことができる総合芸術だと思います。ミュージカルは歌、セリフ、芝居、ダンスによって、よりストーリーが分かりやすくなるので、子供から大人まで楽しめるエンターテインメントだと思います。役者が歌って踊って気持ちを表現し、音楽も全て最高潮に達したときは胸が一杯になります。あの心が満たされる感じがたまりません。バレエとはまた違う良さがあると思います。

石井:発声やお芝居の練習など未経験の分野なので大変ですが、芸術の表現者としてとても刺激になることが嬉しく思います。
ミュージカルは、思いや、感情やその場の空気感を言葉で表現するということをとても魅力的に感じます。また内面を出す方法の違いにも魅力や面白さを感じます。

石井千智Q.ダンサーは身体が資本。一日のレッスン時間は?日頃どんなことに気をつけていますか?

後藤:大体一日2時間〜3.5時間ぐらいレッスンしています。舞台のリハーサルなどがあるときはもっと長くなります。気をつけていることは、病気、怪我をしないように最善の注意を払っています。あとは今自分にできることは何か?前向きに物事を考えて、夢に向かって明るく元気に生きています!!

石井:普段は、1日3〜4時間、週に5日のバレエのレッスンに励んでいます。『回転木馬』のリハーサルが入るので最近はさらにレッスン時間が増えています。レッスンによって技術は蓄積されますが、筋肉・精神共に疲労もたまります。そこで、私は翌日にはそれを引きずらない様に、足のマッサージをしたり、大好きな温泉に行ってリフレッシュしたりしています。

Q.目標とするダンサーはいますか?

後藤:目標というか憧れのダンサーはたくさんいます。日本のダンサーでしたら吉田都さんと中村祥子さんが好きで尊敬しています。海外のダンサーでしたらアリーナ・コジョカルさんが大好きです!小柄な彼女は表現力もテクニックもあって、どんな役も演じ分けるんです。本当に素晴らしいんですよ。イギリスに留学中はロイヤル・オペラ・ハウスで彼女が出演する作品をよく観に行きました。オープンクラスで彼女と同じクラスを受けることができたときは嬉しくって、レッスン中ずっと私の目はハートマークだったと思います(笑)。今では良い思い出です。

石井:吉田都さんです。手足や顔の向きの1ミリ単位での表現のための緻密な計算に基づく動きを私も学ばせて頂いて、クラシックバレエの技術を向上させたいです。また、吉田都さんの表現力は、物語の中に引き込まれ、胸を打つ感動があります。私もそうなりたいです。

Q.最後に、意気込みをお願いします!

後藤:作品を観て頂いた後に「観に来てよかった!」「またミュージカルやバレエを観たい!」と思って頂けるように、そして「人はひとりでは生きていけない。」というこのメッセージを皆さんにも作品を通して少しでも感じて頂けるよう、最高の舞台を目指して頑張ります。ルイーズ役を頂けたことに感謝して、心を込めて踊ります!!

石井:お客様の心に大きく響き感動してもらえるルイーズを演じ、踊ってみせます!皆様の期待を上回る出来栄えになる様頑張ります!

クリス・チャベスvol.4:
クリス・チャベス(ミュージカルシーン振付)

第4回目のインタビューは、ミュージカルの醍醐味であるダンスシーンを振り付けてくださっているクリス・チャベスさん。アンサンブルキャストを引っ張ってくれているクリスさんにお話をうかがいました。

Q.振り付けの進み具合はいかがですか?

「JUNE IS BUSTIN' OUT ALL OVER」の振付はほとんど終わりました。これからディレクター(演出家)の宮島さんと相談して創り上げていきます。大丈夫、素敵なダンスシーンになりました!1月からは、男性メンバーが踊る「BLOW HIGH, BLOW LOW」に取り掛かります。今、振付のアイデアを考えています。
アンサンブルキャストのチームワーク、雰囲気はすごくいいよ。私が、最初から目指しているのは、ファミリーみたいな雰囲気。もう少しみんなと過ごす時間があれば、もっと仲良くできると思うけど。

Q.『回転木馬』のダンスシーンの見どころは?

「JUNE」のダンスブレイク!激しく、エナジェティックに踊るところ!『回転木馬』では「JUNE」がやっぱり好きですね。一番華やかなダンスシーンがあるから。でも、難しいところがあるのも「JUNE」。「JUNE」の音楽は、最初ゆっくり始まって、激しくなって、またゆっくり・・・アップダウンがある。ダンサーだけで踊るところは強く、メインキャストの歌をみんなで聞いているところは静かに。ものすごく難しいです。

Q.どんなダンスシーンを目指していますか?

自然に見えるアンサンブルを、皆さんに見せたい。メインキャストのバックグラウンドで立っているところ、歩いているところ、そんな踊っていないシーンを自然に見せたいですね。日本のミュージカルはオーバーアクティング。オーバーアクティングにならないように、客席から観て、自然に“これはアメリカだ”と思ってもらえるようにしたい。アメリカン・ミュージカルに身体で慣れ親しんでいない、経験も無いキャストのみんなに、言葉とステップだけで伝えることは難しいですが、がんばりたいです。本場のミュージカルのように、歌詞を聴いて、ちゃんと演技して、踊って欲しいですね。

Q.クリスさんがミュージカルを好きなのはなぜ?

歌と踊りを一緒にやるところ。別々にではなく一緒に。岩田守弘さん(バレエシーン振付)に初めて会った時にもこの質問をされて・・・人生でこんな質問をされたの初めて(笑)。4歳から自然にミュージカルが私のそばにあって、テレビで観ていて、ミュージカルをやりたいと思っていたから。歌と踊りを一緒にやると、説明できないけど・・・、一番ドキドキします。

Q.富山でお気に入りの食べものがあるとうかがいました。

白エビのかき揚げ(単品)+うなぎセット!!振付稽古の帰りに、富山空港でいつも食べます。自分へのご褒美(笑)。この前は、毎回楽しみにしていることを知っているお店の方が、売り切れていたのに、特別に用意してくださいました。

Q.いつもお洒落なクリスさん、毎回ファッションにテーマはあるのですか?

テーマは特にはないですよ(笑)。いつも朝起きた時の気持ちで。今日はクリスマスをイメージしたネイルを飛行機の中でしました。それと、マイ“回転木馬”バック!ずっとピンク色で探していて、この前池袋で見つけて、これだ!って。毎日使っているから、もうボロボロ(笑)。

クリス・チャベスQ.最後に、ミュージカルダンサー、ミュージカルアクターを夢見ている人たちにメッセージをお願いします!

もうちょっと自信を持てればいいね。なぜだかわからないけど、上手な人でも日本人はなかなか自信を持てない。変なプライドや態度ではなくて、自分への自信。自信を持って、ちゃんと歌詞を聴いて、客席に何を伝えたいかを考えないと何も伝わらない。せっかくお金を払って座ってくれているお客さんに自分のワクワクを伝えないと意味がない。もったいない。
どんな素敵なミュージカルで踊っても、歌っても、心からの表現をしないと伝わらない。自信を持って、心を開いて恥ずかしがらずに表現してほしい。お客さんを心からつかまえて!がんばって!!皆さん!

藤田光之&丸尾有香vol.3:
藤田光之(イノック)&丸尾有香(キャリー)

第3回目のインタビューは、『回転木馬』の中でも、明るく陽気に物語を盛り上げてくれるスノウ夫妻を演じるお二人。藤田光之さんと丸尾有香さんにお話しをうかがいました。

Q.お二人の演じるイノック・スノウとキャリー・ピパリッジはどんな男性、もしくは女性でしょう?

藤田:(イノックは)人間味が溢れている、可愛い気のある男だと思います。

丸尾:(キャリーは)一言で言うと「天真爛漫」な女性です。とにかく明るくて、お転婆で、ちょっとぬけているところもあり、実はキャリーは私とよく似ています。でも、物事に対して偏見や先入観にとらわれず、正しく判断できる一面も持っています。こんなふうにいろんな面を持っているキャリーです が、本当に爽やかな性格の女性です。

藤田光之Q.イノック&キャリーは、お似合いのカップルですね。藤田さんと丸尾さんの理想の夫婦像は?

藤田:理想の夫婦像…ですか…?人生で初めてこんなことを聞かれました!!(笑)いつまでも、お互いがお互いを心底思いやれる関係が理想です。

丸尾:イノックとキャリーは、二人とも夢を大きく持っていて、目標を実現しようと気持ちが一つになっているところが素敵だなぁ、と感じました。
私の理想は、お金がたくさんあって、何でも私の言うことを聞いてくれて、わがまま をさせてくれて…(笑)そういう行為を可愛いと感じてくれる相手と、お互いに末永 く幸せを感じあえる関係になれたらいいな、と思います。

Q.ミュージカルの楽しいところはどこでしょう?

藤田:やはり!!想いがより高まった時の台詞が、歌や踊りとして表現されることが、たまらなく楽しいところだと思います。

丸尾:歌・踊り・劇(芝居)・表現の自由さ、すべてのマッチングで一つの作品が創り上げられる、これがミュージカルの素晴らしさだと思います。

Q.『回転木馬』には素敵なミュージカルナンバーがいっぱいですが、お好きな曲は?

藤田:自分が歌わせて頂く曲は、どの曲も一癖も二癖もある面白くて最高に好きな曲なのですが…。回転木馬という作品においては『If I Loved you』が、なくてはならない、愛し愛される楽曲だと思います。

丸尾:私の役がキャリー・スノーですから、やっぱり『ミスター・スノー』が好きです。大好きなイノックに対する愛を、高らかに歌っている曲です。ジュリーと一緒にいるのに、一人の世界に入ってどんどん想像が膨らんでいくのが面白いですね(笑)

丸尾有香Q.本読み稽古、歌稽古など始まっていますが、手ごたえはいかがですか?

藤田:正直、まだ手応えが云々という程、稽古が進んでいないのですが、ただ、この作品の持ってるパワーをきっちりと表現できれば、皆様に楽しんで頂けるのは間違いないと思います。

丸尾:私もまだまだこれからですね。何度か台本に目を通しましたが、まだ練習も浅く、手ごたえよりも「手ごわさ」を感じています。

Q.最後に、ひと言お願いします!

藤田:まだまだ、稽古が始まったばかりで、これから作り上げていく段階ですが、稽古が進んで行くのが本当に楽しく、これからが楽しみで仕方がありません。日々、一段でも作品のクオリティも自分自身も上がれるよう稽古に精進致します。
『回転木馬』は楽曲も本当に素晴らしい作品です。オーケストラでの演奏を聞きに来るというだけでも損はないと思います!!私自身は「イノック・スノウ」という男として、自分の持ち味を活かし、劇中に生きて居たいと思います!!

丸尾:現時点までの稽古を通し、皆さんの強い意気込みを感じています。圧倒されています。自分がキャリーを演じきれるか、おののいています。いい作品ができると確信していますが、あと3ヶ月、いかにキャリー・丸尾を表現できるか、時間との闘いです。とにかく頑張ります!

岩田守弘vol.2:
岩田守弘(バレエシーン振付・特別出演)

第2回目のインタビューは、バレエシーン振付、そして不良グループ・ボス役として特別出演の岩田守弘さんにうかがいました。

Q.このミュージカルのバレエシーン振付に挑戦しようと思ってくださったのは?

実は『回転木馬』というミュージカルがあるということも、その中にバレエ・シーンがあるということも知りませんでした。でも、僕の公演に奈木プロデューサーがいらしてくださり、終演後の楽屋で今回のプロダクションについて話してくださった、その時の情熱に僕も参加させてもらいたい、と思ったのが直接のきっかけです。
その後、富山でオーディションをさせて頂いて、プロデューサーの情熱が多くの方々に伝わっていることを知り、この特別なプロジェクトに参加させていただけることがますます嬉しく、と同時に良い作品を作りたいと気が引き締まる思いがしました。

Q.10/9〜11の3日間、バレエシーンの振付をしてくださいました。振付に込めた思いは?その感想は?

『回転木馬』の台本を読んだり、DVDを見たりしましたが、実は富山に着くまで具体的な振付はまったく考えることができないでいました。こんなイメージ、とか、部分的にこんなふうにしたい、という構想はあったのですが、実際の振りはなかなかできないでいたんです。ただ、ルイーズの持つ孤独や憧れなどは音楽が存分に語ってくれていますので、それに導かれるようにして振付を進めていきました。
こんな短時間で全部の振付ができたのは、ダンサーのみんなのおかげです。稽古場で「こんな風に動いて!」と話すと、とても上手に面白く、時には僕の思っていなかったような動きをしてくれることもあって、僕もそれにインスピレーションを得て、どんどん振りが出てきた・・・という感じです。
岩田守弘 ただ、今の時点では「振り」(動き)が出来ただけです。これからこの振りに魂を入れていってもらいたい。リハーサルすることも大事だけれども、台本を読み込んだり、どのようにしたら自分の思いをどのようにお客さんに伝えることができるか考えたり、この役以外にもさまざまな経験を活かして欲しいと思っています。僕が3月にモスクワから戻るまでの間に、演出の宮島先生、そして振付補の小出さんにおまかせしますが、僕自身ももっと深い踊りができるよう考え続けたいと思います。

Q.岩田さん演じる、謎の“不良グループ・ボス”、どういった役でしょう?

最初はルイーズの“お父さん”、ただ、普通のお父さんではなくて憧れ、夢見ている存在という風にイメージしていました。それは、ルイーズからみた僕の役の一部であって、最終的にはルイーズをもてあそぶ存在です。それがお父さん役のビリーに昔のことを思い出させて苦しめるんですよね。

Q.バレエ界で活躍されている岩田さんからみた、ミュージカルの魅力は? ミュージカルはお好きですか?

実はミュージカルはあまり観たことがありませんでした。ずっとロシア・バレエひとすじ!に来てしまったので。でも最近、踊りというものの懐の深さ、踊りが伝えることの大きさを感じているので、ミュージカルという踊りと歌が一緒になったプロジェクトに参加できることて嬉しいです。僕は、歌えませんけどね!

Q.富山の印象は?

自然に囲まれていて、心が伸びやかになりますね。振付に行き詰っていた時、稽古場から外に出て芝生で寝転んだり、遊んだりしてリフレッシュしました。振付していた3日間は、本当に天気が良くて・・・思わず近くの山にハイキングに行きたくなってしまいました。

Q.『回転木馬』への思いをお聞かせください。

「人はひとりでは生きていけない。」
これは19歳でモスクワに渡り、学び、活動している僕にとっても心がジーンとくる言葉です。
若いときは一人だけがんばっている、一人だけ苦しんでいる・・・と思ってしまいがちですが、僕自身も家族や先生、仲間がいたからがんばってこれたし、これからもがんばっていける・・・そう実感しています。『回転木馬』という作品「人はひとりでは生きていけない」というメッセージをお客様に感じて頂けるようにもしたいと思います。そして、同時にこのプロダクションに携わってるみんながそのメッセージを感じられるといいな、と思っています。

Q.ロシアで、世界の舞台で踊る岩田さんから、日本のダンサーたちへのメッセージをお願いします!日本のダンサーたちに必要なこと、願うことは何でしょう?

踊り、ということに関して言うと、基礎を大切にして欲しいということです。毎日のバーレッスンの繰り返し、繰り返し、繰り返し・・・。 と同時に自分なりの役や表現したいことへの意識をしっかり持つ、持とうとするということも、いつも考えるようにすると良いと思います。最初は難しくても、常に意識しているということが大事。最初は誰かの真似をして踊りを学んでも、それから自分のものとして踊っていって欲しいから。
ダンサー(アーティスト)として何かを表現するまでには、時間がかかります。技術的なことができた・・・ということに満足しないで、その先にあるものを目指す気持ちを持ち続けていきましょう!僕もがんばります。

上野聖太&中村桃花vol.1:
上野聖太(ビリー)&中村桃花(ジュリー)

第1回目のインタビューは、オーディションで見事主演に決まったお二人。上野聖太さんと中村桃花さんにうかがいました。

Q.まずは、主演のビリー役とジュリー役に選ばれた感想は?

上野:奇跡!?富山発のビッグイベントに参加できることを嬉しく思います!僕とビリーとの出会いですが、実は6年前にボイストレーニングを始めた時、一番最初にもらった楽譜がビリーの歌う“If I Loved You”だったんです!何年経っても難しいこの曲を歌いこなすのが当面の目標です!

中村:当初オーディションではキャリー役希望でしたので、主演を頂いた時はびっくりしました。感謝の気持ちと、正直、責任感も感じてます。しかし、楽しみながら役作りに挑んでいきたいです。

Q.役者さんになられたきっかけは?

上野:ちっちゃい頃からテレビっ子でした。本格的に役者の勉強を始めたのは20歳になってからですが、高校生の時には既にテレビドラマを見て「自分ならこうするなぁ」って生意気にも考えてました。

中村:もともと身体を動かしたり歌ったりと人前で表現することが好きな子供でした。小学2年生の頃観た『CATS』に衝撃を受けて俳優を志すようになりました。

上野聖太 Q.上野さんは幅広い舞台で活躍されていますし、中村さんはたくさんのミュージカルに出演されていますが、ミュージカルの魅力はどういう所だと思われますか?

上野:やはり音楽でしょう!音楽の力を借りて物語をよりドラマティックにすることができる。またダンス等のSHOW的な要素も魅力的ですね!今回の特別編成のオーケストラも楽しみです!

中村:音楽、歌、踊り、お芝居…と多様な表現方法を兼ね備え、それが一体となった時に 計り知れないエネルギーとなり、それを受けた人を非日常の世界に連れていく…と ころがミュージカルの魅力でしょうか。改めて考えると中々言葉にならないものですね(笑)。あくまで今の私の考えです(笑)。

Q.オーバード・ホールを見ていかがでしたか?中村さんは12月に『RENT』でオーバードの舞台に立ってくださいますね。

上野:オーバード・ホールはとにかく「すんごい」の一言です!日本有数のオペラハウスの舞台に立てることが楽しみです!

中村:初めて訪れたオーバード・ホールは想像以上に素晴らしい劇場でした。舞台上も客席も広いので、『回転木馬』はとてもダイナミックな作品になるのではないかと楽しみになりました。
また、『回転木馬』と『RENT』では真逆と言っていいほど違うタイプの作品ですので、オーバード・ホールでどの様な『RENT』が生まれるかもとても楽しみです。頑張ります!

中村桃花 Q.富山の印象は?中村さんは5月には『ブラッド・ブラザーズ』公演も
ありましたし、富山での舞台が続いていますね。

上野:小学生の時に黒部ダムに行ったことがあります!制作発表で富山を訪れた際にはあまり時間がなかったのですが、いろんな観光パンフレットを持って帰ってきました!城好きとしては富山城に必ず乗り込みます!
あとは富山のキャストやスタッフさんにいろいろ教えてもらいたいです!美味しいお店とか!!

中村:大好きな場所です。空気が新鮮で緑も多く、いつも劇場に清々しい気持ちで通っていました。癒されます。お客様も穏やかな印象があります。また富山に伺えることが本当に嬉しいです!

Q.『回転木馬』という作品、ビリーという役、ジュリーという役についての思いをお聞かせください。

上野:『回転木馬』は音楽が本当に素晴らしい!プロローグを聴くだけで心躍るし、“You'll Never Walk Alone”は聴くだけで泣ける!この世界に入り込めるのが本当に楽しみです!
ビリーは本当にどうしようもない荒くれ者です。働かないし、気に入らないことがあれば手をあげる。しかし彼が悪でしょうか。生まれた時代が悪かったのか、場所が悪かったのか。愛を求めて生きる彼の姿は、今を生きる僕らと何ら変わらないはずです。ただ運が悪かった…。そんな男がどの様に僕自身に宿っていくか。今から試行錯誤します!

中村:シンプルだけれど人間にとって大切な事を気付かせてくれる、温かいストーリー。 それが素晴らしい音楽で表現されることにより、さらに奥深い作品となっているのだと思います。そしてシンプルな作品ほど振り付けや演出、キャスティングなどそのカンパニーでしか創れない作品となるのだと思っています。ジュリーはどこにでもいる普通の女の子ですが、これからお稽古を積んでいく中で私を選んで下さった意図を見つけていきたいし、私のジュリーを演じたいです。そしてこのカンパニーだからこその『回転木馬』になると良いなと思っています。

Q.意気込みをお聞かせください!

上野:すでに富山でも稽古が始まってるということで焦るばかりですが、素晴らしいスタッフさん、劇場、そしてキャストの皆さんに負けないように、まずは稽古に全力投球していきたいと思います!上野聖太、頑張ります!

中村:まだお稽古は始まっておりませんが、すでに作品に携わる皆々様の情熱を強く感じております。私も精一杯頑張ります!これからスタッフとキャスト一丸となって『回転木馬』を創っていきます。どうぞご期待下さい!

(このインタビューは2010年10月28日に行いました。)

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