制作発表
2014年10月20日(月)、富山市民芸術創造センターにて、オーバード・ホール名作ミュージカル上演シリーズ第5弾『ショウ・ボート』の制作発表が行われました。たくさんの報道陣が集まる中、プリンシパル、制作スタッフが『ショウ・ボート』にかける情熱を熱く語りました。
出席者コメント プリンシパル
マグノリア:土居 裕子(どい ゆうこ)
マグノリア:土居 裕子(どい ゆうこ)
皆様こんにちは。改めまして土居裕子です。
今回マグノリア役という大役を仰せ司りました。
甚だここで私がこんな役をさせていただいて良いのかな?と思いましたけれども、この「ショウ・ボート」という作品、すごく丁寧に作られたオールドファッションのこのミュージカルをどうしても!どうしても!やりたい!っていう想いがありまして、久しぶりに勇気を振り絞ってオーディションに挑みました。

かなり難曲でしたので、舞台の合間、本番中に使っているピアノを使ってこっそり練習したりしながら、私としては結構頑張って御稽古をして、これでダメだったらそれはしょうがないという覚悟でオーディションに臨ませていただきました。

本当に心から嬉しくて「やった!」という気持ちで一生懸命努めさせていただきたい事と、皆様が仰っておりますようにこの富山で発信されるこのミュージカルが、東京で はかなりの評判になっておりまして、私はある大学で少しだけ教えているんですけれども、そこでもかなり評判でまさか先生が次の主役をやるとはという風に、生徒にちょっと恨まれたりもしましたけれども、どんな事があってもこの役は私が絶対にやらせていただくという想いでいっぱいです。

これから御稽古が始まるわけですけれども、コンサートマスターの熊谷さんから伺いましたけれども、なんだってここの自慢はこのオケは本当に電気を通さない生の楽器で贅沢な音をお届けするという事を伺いました。
そして市民の方を合わせて総勢60名ほどの出演者がいらっしゃる事と、ご覧の通りの本当にご一緒させていただくだけでもわくわくする素晴らしいプリンシパルの皆さん、音楽監督、そして奈木さん、こんな素敵なスタッフが揃った、本当に文字通り、何て言いますか本当のミュージカルって言われるミュージカルはたくさんあるんですけれども、でもこれぞ本当のミュージカルというものを是非このオーバードホールでやらせていただきたいと思います。
どうか宜しくお願い致します。
ゲイロード:岡 幸二郎(おか こうじろう)
ゲイロード:岡 幸二郎(おか こうじろう)
岡です。宜しくお願いいたします。
私はこのシリーズの第1回の「回転木馬」の舞台稽古にお邪魔致しまして、客席にいましたら丁度奥から回転木馬が回りながらせり出してきたのを見て、度肝を抜かれました。 まさか富山でこんな東京でも見たことないものを見せられるとはと思って、本当にびっくりしたんですね。

そこから数年経ちまして、やっとの思いで私もこの場に立つことができまして、土居さんと同じくオーディションというのを久しぶりに受けまして、ちょっとやや緊張気味で、この役を得る事ができました。

本当に、ミュージカルはいろんな所でいろんなミュージカルができていますけれども、この富山が作っているこのミュージカルは本当にちゃんとしたミュージカルというか、こういう言い方をするとちょっと語弊があるかもしれませんが、ちゃんとした人たちが、ちゃんと作っている、ちゃんとしたミュージカルと私は思っております。
そこに参加させていただくだけでも、本当に光栄なんですけれども、こんな大役を仰せ司りまして、見に来ていただけるお客様に楽しんでいただける事、そして私たちも舞台上で楽しめること、それを念頭に無事笑顔で千秋楽を迎えられるよう、頑張りたいと思います。

東京でもなく、大阪でもなく、この富山からこのミュージカルが発信できることがどれだけ素晴らしいか、身を持って私自身も体験したいと思います。宜しくお願いします。
ジュリー:剣 幸(つるぎ みゆき)
ジュリー:剣 幸(つるぎ みゆき)
ありがとうございます。
この五年間の計画の中でずっと五年間出演させて頂けたこと、とにかくこんなに幸せな事はなかったなと思っております。

そして初演の「回転木馬」の時に、奇しくもその年は東日本の大震災の年で、ちょうど我々がこの稽古場で御稽古している時に富山ですらこの上の照明がぐらぐら揺れて何事かと思った記憶を、今でも生々しく覚えているんですけれども、その年に我々がこうやってお芝居をして初日を開けていいものだろうかと、ものすごく色んな意味でいつも迎える初日とはまったく違う気持ちで初日がきました。

やっていく内に我々が出来る事は、こういう事しかないんだという思いで、皆で手を携えて初演の公演を乗り切ったという、そんな感じだったんですけれども。

それから一年経ち、「ハロー・ドーリー!」をやらせていただき、そして「ミー&マイガール」をやらせていただき、回ごとにお客さんが増え、公演の回数も増え、そして出てくださるゲストの皆様、「ハロー・ドーリー!」だとモトさん、「ミー&マイガール」だと宝田明さん、中尾ミエさん、そうそうたるメンバーの方が沢山出てくださり、そして今回はこうやってここにいらっしゃる方々、私が東京で公演している時も一緒の必ず同じ舞台に出て、同じ土俵でやっている皆が、この富山のこの公演に出て下さる、五年間の間にこんなに色んな事が絆が生まれたり、色んなものが全部広まって富山でこんなに素晴らしいものをやっているという証だと今、思っております。

ですから奈木さん、これで5年目終わりと仰いますけれども、ここまでやったものを次にどうやっていくかという事も大切ですけれども、この5年目にして、ここまでやってこれたっていう集大成を富山の皆様、そして色んな方々と共に味わいながら、次を夢見ながら素晴らしい作品にしていきたいなと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

アンディ船長:浜畑 賢吉(はまはた けんきち)
アンディ船長:浜畑 賢吉(はまはた けんきち)
浜畑でございます。
5年前に富山の方ですごい事が始まったみたいだよ。という噂をあちらこちらで聞きまして、何々どうしたの?と言ったら、えー?そんな凄いミュージカルをそんな本格的にすごい事やっているんですか?と言ったら、それが毎年毎年続いてきてる訳ですよね。
すごく羨ましいなと思っている物に、やっと出演が叶いました。

先程、この会場の見学をさせていただいたんですけれども、こんなすごい施設があるというのは、日本国内他にはないですよね。

いろんな御稽古場を見ながら施設に押しつぶされるんじゃないかという、圧迫感もございましたけれども、負けないようにウキウキした気持ちのままで御稽古に突入したいと思います。宜しくどうぞお願い致します。
フランク:本間 憲一(ほんま けんいち)
フランク:本間 憲一(ほんま けんいち)
またまたお世話になります本間憲一です。
本当もう住民票移そうかと思いました。(笑)
本当に先程からも今お母さん(北村岳子さん)も仰ってたけれどもミュージカルを作るのは大変な時代なんですね。
それでいかにちゃんとしていないミュージカルが多いのかなと思ったんですけれども、やっぱりある程度のコストがかかって、時間を割いて皆さんが一緒になって作るというのは本当に無いんで、その環境が整っているのがこの富山だ。というのが僕のすごい実感で、年に一回なんですけれども、今回また経験させていただけるという、本当に感謝しております。

5年とは言わず、本当にここから火が付いてちょっと色んな所に浸透していってほしいという思いがあるんです。
叫びます!住民票移します!(笑)
でも本当にいい作品なんで、僕も楽しんでやらせていただきたいと思います。
それとあと、市民の方とまた一緒にコラボするという事が一つのテーマだと思うんですね。
プロの本当に素晴らしいな役者さん、スタッフさんと、市民の方と一緒に作品に向き合えると、噛みしめて向き合いたいと思います。宜しくお願い致します。
エリー:北村 岳子(きたむら たかこ)
エリー:北村 岳子(きたむら たかこ)
エリーの役をやらせていただきます北村岳子です。
ありがとうございます。
奈木さんはじめスタッフの方々の熱い思いとかを今伺ってまして、これは締まっていかなきゃいけないぞ!と、ちゃんと気持ちを新たにした次第であります。
私は、お母さんかな?と思っていたんですけど、エリー20年若ければ受けようかなと思っていたんですが、富山ミュージカルは割と年齢層が高い(笑)お陰でですね、私にエリーの白羽の矢が当たったという本当に心から感謝しております。

すごい歴史のあるこの五年間に恥じないように、しっかりその「ショウ・ボート」の船に足をつけて存在したいと思いますので、宜しくお願いいたします。ありがとうございます。

キム:麻尋 えりか(まひろ えりか)
キム:麻尋 えりか(まひろ えりか)
改めまして、麻尋えりかです。
私はやっぱり富山出身なので、5年前からどうしてもこの富山で作るミュージカルに出演したいという思いがありまして、一度オーディションを受けさせていただいた時も、その時はダメだった年とかもあって、でも今年オーディションを受けて奈木さんからお電話をいただいた時に本当に飛び跳ねて喜びました。
そのオーディションの時は丁度、他の舞台の御稽古中だったのですが、どうしても受かりたかったので皆に迷惑をかけながら歌を見てもらったり、踊ったことがないチャールストンも、チャールストンもどきみたいなものを御稽古場の踊りが上手な子に教えてもらったりして、もう本当に絶対に剣さんと一緒に宝塚の後輩として舞台に立ちたいという思いもあったので、今回ご一緒する事ができて本当に嬉しいです。

そして素晴らしい皆様と共演させていただく事ができて本当に光栄だと思ってます。
地方公演で富山に来ることはあっても、富山で作るミュージカルというのは私も初めてなので、今から御稽古が本当に楽しみです。

私がまだ富山に住んでいた頃はあまり舞台を見る機会がなかったのですが、今富山でこんなにも素晴らしい舞台を皆に見て頂ける機会が増えてきているので、皆様の心にちゃんと残る舞台になるよう私も一生懸命頑張りたいと思います。宜しくお願いします。
音楽監督
八幡 茂(やはた しげる)
八幡 茂(やはた しげる)
まずですね、僕は東京で随分いろんなお仕事を自らさせていただいてて、もちろんここに並んでいる出演者の方々とも幾度も顔を合わせているんですけども、これだけのメンバーが集まるというのは本当にすごい事だと僕は思っているんですね。
東京でもこれだけのメンバーはそうは集まらない。

それが富山でこのメンバーと一緒にできるというのはとっても素敵な事だと思ってるし、僕、実は富山長いんですね、実はもう20年ぐらい前から富山に関わっててやってるんですけれども、もちろん自らやっているんですけれども、こういう素晴らしい人たちとまたミュージカルができるというのは、本当に嬉しく思っております。

それから音楽面で言えば、種谷さんとか熊谷さんとか、アマチュアの方がとても協力して下さるんですね。
それで一生懸命練習して「ハロー・ドーリー!」の時もそうだったんですけど半年かけて練習して下さって、そして本当にいい音を出して下さる。
僕はそれがとても嬉しくて、今回もとても素敵な作品をそういう仲間と、またこういう素晴らしい出演者と一緒にできるというのが、とても僕自身が楽しみにしていますので、皆さんどうぞ期待してください。宜しくお願いします。
指揮者
若林 裕治(わかばやし ゆうじ)
若林 裕治(わかばやし ゆうじ)
若林です。
僕が最初にこのミュージカルに関わらさせて頂いたのは、第2回の「ハロー・ドーリー!」だったんですが、
富山でどんな事やってるんだろう?
え?
アマチュアオケでやるの?
というのが最初の印象だったんですが、来てみて皆さんのオーケストラの目を見て、あれ?何か違うな。
あ、何かこれもしかしてプロよりすごいんじゃないの?ていう発見が毎回ありまして、今ではたぶんこの富山ブランドのミュージカルには、絶対この市民参加型のオーケストラではないといけないんじゃないのか?という事まで思ってます。

これだけの大先輩方、大先生方のキャストを揃えて、でもそれを支えるのがアマチュアオーケストラだ。
ここに僕はすごい意義があると思ってます。
それを我々がプライドを持ってプロに負けないサウンドを作っていく事が私の使命だと思っております。
宜しくお願いします。
ミュージカルオーケストラTOYAMA
代表:種谷 優(たねたに ゆう)
コンサートマスター:熊谷 真紀(くまがい まき)
私たちの「ハロー・ドーリー!」の時にひょんなことで前年夏にひょんなことで出る機会を与えていただいて、最初はおそらく奈木さんなんかもずっと録音してごらんよ。
って八幡さんから譜面もらった気がするんですけど、果たして通るのかどうかと思いながら、一生懸命夏に練習した覚えがあります。
僕ら吹奏楽ですからコンクールもあったんですが、コンクールの練習をさておいてこっちの方を一生懸命やった記憶があります。
何とか通って今若林さんなんかと初めて一緒になったんですけど、もう初日は緊張しましたね。

オーケストラの弦は熊谷さんが怖いかなと思いながら初めて練習した日を今でも覚えています。
オーバードの地下でやったんですけれども、あれから色々自分たちもやらせていただいて本当に今言っていただいた富山のミュージカルが、富山市民のアマチュアのバンドが、アマチュアの人たちがプロと一緒にやるという、改めて今僕たちはすごい事やるんだな。という印象を受けました。
また来年に向けて、もっと再来年に向けて、これからずっとこういうのに関わっていきたいなと思っております。
どうか宜しくお願いいたします。

熊谷 真紀(くまがい まき)
熊谷 真紀(くまがい まき)
今お話しいただいた通り、アマチュアと音楽大学を出た学生、卒業したばかりの子たちによるのオーケストラなんですけれども、やっぱり技術的にどうしても大変な事も最初はあって、私もこうやってだんだんやっていく中で熱が入っていって、第2回のミュージカルから参加させていただいているんですけれども、今ではオーケストラで鬼教官と呼ばれるようになってしまいまして、23歳から一番女性が綺麗と言われる時代の4年間を鬼教官として過ごしております。(笑)
でも本当にすごく楽しいミュージカルで、先程お話ししていただきました通り、一番いいところは機械ではなく、人間が演奏する楽器のみのオーケストラなので、タイミングとかはもちろん感情も行き来できるのがいい所だと思っています。

今回は歌手の皆様が6回もあるので、多分どんどんどんどん本番を重ねていく中でも色んな感情が湧き上がって、舞台の上で表現したい事をオーケストラピットの中からも、しっかり支えていきたいと思っております。
宜しくお願いいたします。
富山市文化国際課 課長:恒川 哲二(つねかわ てつじ)
富山市民文化事業団 常務理事:菊川 順良(きくかわ じゅんりょう)
皆様こんにちは。
本日は市長がここにきてですね、皆様方にお話するところですが、所用があって来ることができません。
メッセージを言付かって参りましたので、代読させていただきます。

本日は、ミュージカル「ショウ・ボート」の制作発表にお集まりをいただき、誠にありがとうございます。
公益財団法人富山市民文化事業団では、富山の芸術文化の拠点であるオーバードホールにおきまして全国に向けた芸術発信事業である、名作ミュージカル上演シリーズを企画いたしました。

第1弾として、平成23年3月に上演いたしましたグランド・ミュージカル『回転木馬』、第2弾として平成24年2月には『ハロー・ドーリー!』、第3弾として平成25年3月には『ミー&マイガール』をそれぞれ上演し、第4弾として平成25年8月に、ミュージカル『ハロー・ドーリー!』を富山で再演。
富山市民文化事業団 芸術監督:奈木 隆(なぎ たかし)
富山市民文化事業団 芸術監督:奈木 隆(なぎ たかし)
皆様こんにちは。
本日はお忙しい中、多数メディア関係者の方々お越しいただきまして、誠にありがとうございます。
何度か説明はしているんですけども、ここで改めて、今回5作目ですから集大成という形ですね。五ヵ年計画の五本目という事ですので、ちょっと説明させていただきます。
まずは、富山市オーバードホールの名作ミュージカル上演シリーズをどのように立ち上げたかという事を、簡単に説明いたしたいと思います。

私は2008年に行われました富山市民文化事業団のプロデューサー全国公募の試験を通過して2009年の4月から在団に着任いたしました。

2011年4月からは、芸術監督として主にオーバードホールの年間公演プログラム立案と、創造事業を担当させていただいております。
ミュージカル評論家:扇田 昭彦(せんだ あきひこ)
ミュージカル評論家:扇田 昭彦(せんだ あきひこ)
ご紹介いただきました演劇評論家の扇田昭彦です。
私がこのシリーズを最初に見たのは、2012年の「ハロー・ドーリー!」でした。これは有名なブロードウェイミュージカルなんですけれども富山が日本初演だったんですね。私はそれに興味を惹かれててここに見に来たのですけれども、ものすごく水準が高くでびっくりして感動しました。
そしてこれだけの水準のものをですね、富山だけでやるのはもったいないという事で、雑誌とか新聞に書きましたし、それから東京芸術劇場にも働きかけて翌年に東京公演が実現しました。

その時に私が思ったのは、もう一つですね私が是非やってほしいミュージカルがあると、それがこの「ショウ・ボート」でした。

これは1986年に宝塚歌劇団がやってるんですけど、それ以外はやられていないんですね。
これは本当にブロードウェイミュージカルの初期1927年の初演でした大傑作なんですが、宝塚以外はやってないという意味でこれは是非やってほしいと思って芸術監督の奈木さん に話したところ、実は奈木さんが考えているんだという事で我が意を得たという思いをしまして、いよいよこれが来年実現するという事で非常に嬉しい限りです。